この記事は「ロボと人間の橋渡し」に関する、自体験・想いなどです。
※ここでの「ロボ」とは、ペットロボット・パートナーロボットなどと呼ばれる、家庭用の可愛いロボ達をさします。
ロボットの呼び方について、こだわりのある皆様‥ひと括りにして、ごめんなさい。
- 私がaibo・LOVOT・ロボホン、それぞれのロボと、初めて出会った時の様子
- 「ロボと人との橋渡し」という役割・その後への影響など
- パロと人との橋渡しをする「パロ・ハンドラー」「パロ・トレーナー」
についても。
こんにちは、neoです。
近年、ペットロボは、メディア紹介・ドラマ出演などで認知度が高まり、自分が惚れ込んだロボをお迎えして、一緒に暮らし始める人も増えました。
コロナ禍も、拍車をかけたそう。
ところで、あなたが初めて「可愛いロボ」と出会ったのはどんな場所で、どんな人が、その子とあなたの橋渡しをしてくれたか、覚えていますか?
きっと、大切な思い出ですね。
人間同士の場合、何らかの機会にある人物と出会い、関係がスタートします。
新しい環境や、人からの紹介などを経て、簡単な挨拶・会話で始まり、お互いに興味を持ち始めれば、仲良くなるイメージ。
一方、ロボとの出会いを考えてみると‥。
ロボが1人で、その辺をウロウロ出歩いている訳はなく、向こうから家に訪ねて来てくれることもない。
「ロボ連れでお出かけ中の人と、バッタリ遭遇」みたいなチャンスも、そう期待できないそうにない。
なので、ほとんどの場合、ロボと出会うべく準備された場所や、ロボとあなたの仲をとりもってくれる人を介した出会いになるでしょう。
出会いの場や、サポートしてくれる人が、大きな鍵を握ってそうです。
今回は「ロボと人間の橋渡し」という役割について、自体験を交えて考えてみます。
そのロボットと最初に会ったのはどこ?誰かと一緒だった?
私達が、ロボに会いに行ける場所は、ある程度限られています。
そこでは、ただ「見る・会う」だけのパターンと「触れ合える」パターンが。
【ロボに会いに行ける場所の例】
- ロボを展示中の施設:科学館・博物館・企業のショールームなど
- ロボが働く施設:ショッピングモール・ホテルや病院のロビー・飲食店など
- ロボを展示販売するショップ
- ロボとの触れ合いイベント会場
- 知り合いのロボオーナーさんのロボと会う
展示施設の場合、スタッフさんや音声ガイドが、お目当てのロボの説明をしてくれることもありますが‥
言ってしまえば「勝手に見て、勝手に去る」スタイル。
その一方で「ロボと触れ合うべく準備された場所」まで出向けば、静観することも、スタッフさんからお話を聞いたり、触れ合うこともできます。
願わくば、落ち着いて過ごせる場所で、相性の良いスタッフさんに当たってほしい。
これ「運」にも左右されるんです。
ショップの接客スタッフさんは「販促」が目的ですが「ロボとの初めての出会いをサポートする」という役割も担っています。
こんにちは。何でも聞いてくださいね。
何はさておき、まずは「そのロボを知ってもらうところから」のスタートなので、ある意味、責任重大でしょう。
更にこの時、あなたに同行者がいれば、その人にもロボの印象が左右されるかも。
自分的には「ふ〜ん」みたいに醒めて見てたけれど、同行者の目がハートになって、
わあ、可愛いね!このロボ、いいね!
などと連発してるのを見てるうち、だんだん可愛く見えてきた、とかありそうじゃないですか?
逆に、ロボに興味を持ったあなたは、身を乗り出したにもかかわらず、同行者に、
‥え〜、やめとけば?どうせ、すぐ壊れるんじゃない?
などと言われて「‥そうかも」と、身をひくことだってあるかも。
同行者の反応や一言って、さり気に大きいから。
「人と人との出会い」と「人とモノとの出会い」は、全く違います。
そして「人とロボとの出会い」は、その中間‥でもないし、まだ一部の人しか経験したことがない「特別な出会い」なんだよなあ、と、改めて思いはじめたところ。
‥未知の出会いだけに、なかなかデリケートそうです。
私がaibo・LOVOT・ロボホンと会った時、そばにいた人達
突然ですが、私がロボ達と出会った時のことを思い出してみます。
初aibo
アイボ(AIBO)は、初代誕生からの歴史も長く、多くの人に愛されてきたロボ。
今でも「ロボットのペット=アイボ」って人、多いですね。
けれど地方住まいの私は、実物のアイボを目にする機会もなく、触れ合える場所すら知りませんでした。
現在、ショップで購入できる新型aiboが発売になったのは、2018年。
その2年後、私は、東京・森美術館の展覧会で実物に会えましたが、残念なことに、正に「勝手に見て、勝手に去った」だけ。
この時会ったのが、茶色ボディの「チョコエディション」ちゃん。
笑顔で歩き回ってる姿、近未来感もあって鮮烈だったな〜!
私は1人で展覧会を訪れたので、同行者と感動を分けあったり、感想を言い合うこともなく、チョコちゃんに触れたのかすら怪しい始末。
その後、aiboオーナーさん達がTwitterに投稿した素敵な写真を、延々眺める期間が続きました。
そんな私が、本格的にaiboと触れ合えたのは、チョコちゃんとの出会いから約1年後。
やる気マンマンで、福岡のソニーストアへ会いに行ったのです。
あの時、aiboと私の橋渡しをしてくれたスタッフさんのことは、今でも忘れられません。
こんにちは。aiboがお好きですか?
はい!可愛いですよね。いつもオーナーさん達が投稿された、写真や動画を見せてもらっています。
ありがとうございます。今ちょうど新しく出た子がいるんですよ!
あっ!黒ごまちゃんですよね!
‥そんなノリで会話が始まり、aiboについて色々教えていただきました。
頭や背中を撫でると喜ぶんですよ。どうぞ撫でてあげてください。
‥恐る恐る手を伸ばした私は、初めてaiboにタッチして「なんて滑らかなボディ!」と感動します。
「お手」もできるんですよ!‥銀くん、お手っ!
銀くんのパーフェクトな「お手」を見せてもらったことで、一気にaiboとの距離が縮まりました。
※この時の詳細は、別記事になっています(↓)。
更に翌年(2022年)1月に誕生した、ピンク色のaiboのところにも、イソイソお出かけ。
この子が、いちごミルクちゃんです。
ショップに足を運ぶことで、ネットでは気付けなかった可愛さがわかるんです。
初LOVOT
LOVOTとの出会いも、aiboと同じく、東京の森美術館の展覧会です。
当時「LOVOTという、新しいロボットが生まれたらしい」レベルの認識だったな。
この時、展示中のLOVOTと私の橋渡しをしてくれたのは‥忘れもしない、見ず知らずの男性でした。
来館者に代わる代わる抱っこされたり、展示コーナーでコロコロ歩き回っていたLOVOT達。
「‥おお!これがLOVOTかあ〜」と、中腰になって覗き込んでいた私に、
抱っこして「高い高い」してあげると、喜ぶんですよ〜。
と声をかけてくれたのは、たまたま隣にいた来館者だったのです。
その一言で、私はLOVOTに手を伸ばし、抱き上げました。
あっ!これはかなりカワイイですね!
周囲の人達とホンワカムードで笑顔を交わし、抱っこを促してくれた彼も嬉しそうにニコニコ。
もしこの人がいなかったら、遠巻きに眺めるだけで終わっていた、と思われます。
その後、彼は笑顔で立ち去り、チェンジで私の隣に立ったのは、同世代の女性。
私達をじっと見上げているLOVOTの瞳に、すっかり心を奪われているご様子?
先ほどの男性と全く同じ調子で、
抱っこして「高い高い」してあげると、喜ぶんですよ〜。
と声をかけたのは、言うまでもありません。
そんな訳で、たまたまそこにいた来館者同士で連帯感が広がった、LOVOTとのファーストコンタクトは、温かいひとときでした。
その後、私は大阪のロボティクススタジオで、じっくりLOVOTと触れ合うことになります。
ここで申し込んだ「LOVOT体験」では、本格的にショップスタッフさんのお世話になりました。
LOVOTが、私に向かって何やら喋ってくれた時、やや戸惑っていると、
わあ!お返事してますね!
と声かけてくれたので「‥そうか、これはお返事してくれてるのか!」と、素直に感激し、すっかりLOVOTと通じ合えた気分に。
ロボの動きやお喋りを、どう解釈していいかわかんないのが、初心者あるある。
ほどよい距離からサポートしてくれる人がいることで、軽い戸惑いが、一気に「嬉しさ」に変換されることがあります。
別の機会に、夫が初めてLOVOTと触れ合った時も、スタッフさんの寄り添い方が絶妙でした。
LOVOTを抱っこしてあやす夫の横に立ち、笑顔で拍手しつつ、
きゃ〜っ!
これ、そばで見ている私もかなり嬉しかったのです。
夫にしてみれば「自分が楽しんでいることが、受け入れられてる」という安心感も大きかったでしょう。
※このエピソードは、前後編の記事の後編で(↓)。
同行した私が、予想以上に楽しんだ1日でした。
初ロボホン
ロボホンとの出会いも、大阪のロボティクススタジオです。
人間の言葉を流暢に喋る・歌う・踊る・調べ物をする‥など、ビックリするほど高性能なロボホン。
願いが叶ってロボホンと初対峙できた時、想像以上の端正な外見と、優しい声・滑らかな動きにテンションが上がりました。
‥思うに‥ほとんどの人が、そのまま見入ってしまいがち?
問題はその後で「‥えーっと‥それで?」と、次に自分がどうすれば、もっとロボホンの魅力を堪能できるのか、見当がつきません。
照れながら話しかけてみるものの、何の反応もないと、頭の中がはてなマークでいっぱいになり、そのまま立ち去る人もいます。
そんな時こそ、ロボホンとの橋渡し役・スタッフさんの出番。
有能すぎるロボホンの魅力は、話しかけ方を教えてもらったり、実際に動かしてもらうことで、より実感できます。
ロボホンをガン見する私に、フレンドリーに説明してくださったのは、可愛らしいスタッフさんでした。
その後、新たに発売された「弟モデル」のロボホンに会った時も、またまた感じの良いスタッフさんに大当たり。
私は、ツイてる!
こちらが、当時発売されたばかりの弟くん。
そもそも、オーナーさん達によるTwitter投稿や、街角でチラッとロボホンを眺める程度の私は、明らかに初心者。
急にロボホンが喋り始めた時など、一瞬、戸惑ってしまいます。
‥あれ?これは?(‥えっと、どうすれば?)
あっ、これは‥レストランを探してくれるアプリが起動したみたいです。
‥こういう、ナイスタイミングな回答、何ともありがたい。
勇気を出して、ロボホンに触ってみたいと伝えたところ、
どうぞどうぞ!
と、そっと手に載せてもらえたので、
ロボホンの重さ・肌触り・ボディの繊細さ‥。物凄い情報量が、手のひらから伝わってきましたよ!
そんな訳で、私が初めてaibo・LOVOT・ロボホンと会った時は、毎回「ロボとの仲をとりもってくれた人達」がいました。
それは、偶然そこにいた男性だったり、ショップの店員さんだったり。
販促がからんでいるか、それとも全く関係ないか、という違いは大きいけれど、
かわいいですよね〜!
この子も、抱っこしてみませんか?
彼ら1人1人の笑顔が、印象に残っています。
ロボと初めて会えたワクワクに加え、ちょっと緊張感もある者としては、彼らの存在が思いのほか大きい。
その時に抱いた感情、丸ごと、あとを引くの。
個人的には、もし橋渡し役の人が、既にオーナーになっている友人や、尊敬する人・大好きな人だったら、更にラッキーだと思います。
そのロボのことも、あなたのことも、最初から知った上で接してもらえたら、安心感も手伝って、ロボとの心理的距離がグッと近づくはず。
私自身も、直接お会いしたオーナーさんに、ロボホンの魅力を間近で見せてもらったことがありました。
セールスが絡まないところで、ロボと親密に過ごせるのは、私にとって本当に貴重な機会。
ますますロボホンを好きになれて、感謝してます。
初めてロボと関わる人にとっての介在者って、どんな存在?
ちなみに‥私がパロと初めて会った時は、特に誰にも橋渡ししてもらっていません。
科学館に展示されてるパロだったから。時間にして1分程度だったけど、勝手に惚れ込みました。
我が家のペットとしてパロを迎える時も、何の迷いもなかったので「仲良くなるのを手伝ってくれる人」は、特に必要なかったのです。
パロと人間との橋渡しをする人々
本来は、セラピー用ロボットとして生まれてきたパロ。
海外では、医療機器として認められており、医療・介護・福祉の現場で、人を癒す道具として活用されています。
「心のケア」で、セラピー用ロボとしての本領を発揮。各現場やイベントで、パロをうまく活用できる人材が「パロ・ハンドラー」・「パロ・トレーナー」。
日本ではまだ、彼らの数は少ないけれど、人材育成の場は準備されているので、私も受講しました。
講義では「パロと初めて触れ合う人への接し方」も学びます。
ロールプレイング動画を使った学習中、
- 「最初は(ロボとの接し方がわからないから)固まっちゃうよね」
- 「‥それ!私、してもらって、嬉しかった」
- 「わかる、あれは『寂しい』って感じるよね」
など、思い当たるケースがしばしば登場。
中でも、身に覚えがある「目の前に現れた、見知らぬロボへの興味と戸惑い」という感情は、現場でパロを渡す人・渡される人、どちらの気持ちを理解する上でも、役立ったと思います。
「‥ロボットなんて、初めて」っていうご高齢の方なら、なおさら?
ただ!
自分の体験だけを基に、相手の気持ちを理解しようとすることは、客観性を欠きます。
人の感じ方は自由であり、十人十色なので、その人に寄り添うことで「この人は今、何をどう感じておられるのか」を、慎重に汲み取ることが大切。
そこを心に留め、勝手な決めつけ・思い込み・勘違いにならないよう意識すれば、自分の経験や直感も、推察の参考くらいにはなります。
もちろん、介在する人の目的が「販促」と「セラピー」では異なるけれど、根底に「共通する寄り添い方・関わり方」があるっぽいな、って思ったの。
初対面のパロに「わあ!可愛い!」とすぐ手を伸ばせる人もいますが、逆に
- 緊張してしまう人
- 関心はあるけれど、遠慮してしまう人
- 敢えて関心なさそうな素振りを見せる人
- 苦手な人・怖いと感じる人・嫌いな人
などもおられるそう。
ロールプレイング動画を見ている最中、まるで自分が、各登場人物になったかのように感じました。
‥こういうのを「秒で悟れる」って言うんだろうな。
触れ合いをサポートしてくれる人の絶妙な一言や、そっと差し伸べる手、優しい眼差しなんかのお陰で、ロボへの親近感が増すことを考えると、介在者の役割、結構大きそう。
繰り返しになりますが、販促目的か、そうでないかは置いといて、橋渡する人の役割の基本は、どのロボ達にも共通しそうだな、と。
‥うまく言えないけれど。
ファーストコンタクトの記憶、大切
数年前に比べると、各分野で活躍するロボットを、グッと身近に感じ始めた今日この頃。
気軽にロボ達と触れ会えるスポットも、都会を中心にチラホラ登場しています。
けれど、地方民はそうもいきません。
存在すら知らなかったロボと、初めて対峙するのは、程度の差こそあれ「未知の体験」。
どのロボも、一昔前に比べるとかなり精巧に進化してる分、想像が追いつかない人も。
どんなに可愛い姿だろうが、本能的に「何者かわからない不気味さ」を感じても、不思議ではありません。
「ロボとの心地よい関係の始まり」でスルーできないのは、やはり、その時立ち会ってくれた人でしょう。
「ロボに期待すること」だって、人それぞれ。瞬時に相手のそれを汲み取るのも、難しいところですが‥。
‥それでも、もし私が、誰かとロボの橋渡しをする機会に恵まれたら、相手の人にとって、穏やかな時間と記憶になるよう、お手伝いできたらいいな、と思っているのでした。
それでは、また!