こんにちは。
美術館・博物館巡りが趣味のneoです。
この記事は、前半で
- 「ヒグチユウコ展 CIRCUS」4会場(兵庫・広島・福岡・岡山)の、撮影可能エリアの写真
後半で
- お気に入りの巡回展を、各地の会場まで見に行くのが楽しい理由
についてお伝えします。
- 4会場の撮影可能エリアを見比べたい
- 巡回展を追いかける楽しみを知りたい
という人向けです。
目次で気になった部分や、前半または後半パートだけ読んでもOK。
ある展覧会を、とても、それはもう、本当に気に入ってしまって「絶対また来なきゃ!」となることがあります。
そんな展覧会と出会えたらラッキーで、どハマりした映画や推しが出演する舞台・ライブを何度もリピしたくなるのと似ていますね。
美術館・博物館での展覧会は、開催期間中ずっとやってるので、比較的行きやすいと思います。
近場の会場なら更に足を運びやすく、1度の鑑賞では気付けなかった発見に出会えるのが嬉しい。
もしそれが各地を回る展覧会だったら、そこに「開催を追いかける楽しみ」が加わるのです。
2019〜2022年にかけて私が追いかけたのは、東京からスタートして各地を巡回した「ヒグチユウコ展 CIRCUS」。
緻密で美しく、不思議なヒグチワールドの作品は正に「サーカス」、見応えあり過ぎ!
クスッと笑えるユーモアもたまりません。
会場に足を踏み入れれば、見たことのない世界に目が釘付けで、一度見たら忘れられない展覧会です。
今までヒグチ氏を知らなかった人や、男性にもオススメ!
2020年・コロナ禍による開催延期を挟んだことで、むしろこれほど長期に渡って楽しめたのは、ラッキーだったかも。
どの施設も会場内は撮影禁止ですが、嬉しいことに写真OKエリアが設けられていました。
そのエリアに展示された物は、どの会場もほぼ同じなのに、施設によって異なる見せ方をしてくれるのが面白い!
兵庫・広島・福岡・岡山の4会場分ではありますが、この記事で各会場の撮影可能エリアの雰囲気を見比べてみてください。
【「ヒグチユウコ展 CIRCUS」って?】
■画像出典「ヒグチユウコ展 CIRCUS」公式サイト:
https://higuchiyuko-circus.jp/#future
空想と現実を行き交う自由な発想とタッチで、作品制作のみならず絵本の刊行など幅広い活躍をみせる画家ヒグチユウコ。本展では、自身初となる大規模個展として、約20年の画業の中で描かれた500点以上(予定)の作品を公開します。
■「ヒグチユウコ展 CIRCUS」公式サイト「みどころ」より
ヒグチユウコが描く猫や少女、キノコ、この世ならぬ不思議ないきものたちが繰り広げる、楽しくもどこか切ないサーカス(CIRCUS)の世界をお楽しみください。
ところで、巡回展を追いかけることに、何かメリットはあるのでしょうか?
え〜?1回見たやつなら、もういいんじゃないの?
それが、情報量が多過ぎる展示は、1回ではとても消化しきれません。見落としも多発。
同じ展覧会ばかり見に行くなんて、飽きない?
あ!そもそも「1回で満足」な展覧会は、リピしないので大丈夫。
え〜?わざわざ新幹線に乗って見に行くの?
それも‥いや、むしろそこもお楽しみポイント!
アート鑑賞に加え、もれなく小旅行が楽しめるのですから。
「私もやったことあるよ!」という人も「その発想はなかった!」という人も、是非ご覧ください。
お気に入りの巡回展の追っかけには、思わぬメリットがいっぱいですよ!
西日本4会場の撮影可能エリアを紹介(写真あり)
①神戸ゆかりの美術館
私の追っかけは、神戸からスタート。
カメラを持たずに訪れてしまったので、写真は全て、同行のお友達による提供です。
エントランスの巨大タペストリー。
ライトアップで、正にサーカスの雰囲気!
展示室に近づくにつれ、期待が高まります。
メインビジュアルはこの作品、「Circus(2018)」
会場内では、作品が放つオーラに圧倒されつつ、皿のような目で鑑賞に全集中するのみ。
何しろ、ヒグチ氏の20年分の作品(約500点)がギュウギュウに詰まっているので、もうタイヘン!
頭がクラクラし始める頃、撮影OKエリアにたどり着きます。
ここぞとばかりに、スマホやカメラを取り出す皆さん。
どの子も可愛い。
これらのパネルには、筆跡が生々しい原画とは異なる、硬質な魅力が漂います。
象徴的な赤いカーテン。
会場に流れるBGMに至るまで、凝りに凝ってます。
独特な雰囲気作りを手伝う音楽は、ミュージアムショップでCD販売あり。
そういえば、来館者もオシャレな人が多かった印象。
さすがの神戸でした。
ため息が出るほど魅惑的なサーカスは、いつまでも余韻が残ります。
- 同行者:ヒグチファンのお友達
- アクセス:JR在来線+新幹線+六甲ライナー
②奥田元宋・小由女美術館
会場は広島市から離れた地に建つ、静かな美術館。
けれどこの日は、ひしめき合うほど押しかけた来館者に驚愕!
地下に続く階段を降り、展示がスタートしました。
ちなみに‥私に連れて来られた夫は、ヒグチ氏のことを知らない上、アートへの関心はホドホドか低めの人ですが、驚きの目で真剣に見入っていました。
凄い、凄い!しかもこんなに人気なんだね。
‥だよね!(誘ってよかった)
こちらは代表キャラクターの1人・ギュスターヴくん。
ギュスくん、長っ!
エアコンの風で、かすかにユ〜ラユラ。
階段を下り切ると、会場入口。
人が途切れた一瞬に写せた、奇跡の1枚です。
計10人、番号順に整列してます。
オカヒトデご一行様。
‥ん?手に持ってるのはチケット?
展覧会を観に来たのでしょうか?
ひとつめちゃん達も可愛い。
小脇に本を抱えてる子がいる!
本のタイトルは「ビジュツ カンショウ」。
ちなみにサイズはこのくらいでした。
- 同行者:ヒグチ氏を知らなかった夫
- アクセス:路線バス+高速バス
③福岡市美術館
コロナ禍で延期になり、待ちに待った福岡での開催です。
おめでたい七福神が1月らしい。
雨の中、朝からイソイソ会場へ。
コロナ禍で、チケットは日時指定予約制に。
ネット予約後、会場で引き換えてもらったチケットがこちら。
展示室入口の巨大パネル。
このカーテンの奥が、撮影禁止の会場。
こう見えて大勢で賑わっており、家族連れもチラホラ。
この施設は、サーカス独特の薄暗さ(←好き)が希釈された、ウエルカムな雰囲気?
と思いきや、例の作品群のパワーは常に全開。
正に、舐めるように見てしまいます。
はい!撮影可能エリアにやって来ました。
あっ!長いギュスくん、ここにいたー!
ご年配の方もスマホで撮影、あちこちで立ち止まり、写り具合などをチェック中。
氏の著書がディスプレイされた赤い本棚。
どの本も凝った装丁で‥
氏の作品が表紙を飾る雑誌も並びます。
表紙がヒグチワールド、というだけで、普段手に取らない雑誌まで気になる始末。
お子様をパネル前に立たせて撮影しまくるファミリーも。
6番、可愛い。
白くて広い壁の十分な展示空間。
福岡会場では、どのパネルも窮屈感なく展示されていました。
絵の緻密さを更に際立てる余白までもが素晴らしい!
- 同行者:なし
- アクセス:JR在来線+新幹線+地下鉄
④岡山シティミュージアム
ポスターは新作の「CIRCUS 蝸牛と道化(2021)」。
開催初日に訪れたため、入場前は列に並んで30分くらい待ちました。
相変わらずの作品群に圧倒された後、最後におなじみのコーナーに突入。
やあ、また会えたね。
長いギュスくんも元気そう。
既に友達に再会するような気分です。
こちら、どこかの会場では撮影禁止エリアで見かけたような‥。
美し過ぎ。
我が家の壁に飾りたい。
この会場の本棚周囲は、こんな感じ。
皆さん、スマホやカメラで思い思いに撮影中。
人が途切れた一瞬にパチリ。
この左横では、ヒグチ氏がメインビジュアルのイラストを描く様子が、映像で紹介されています。(※映像は撮影禁止)
作品を仕上げていく手元のアップ!
このお宝ビデオ、全会場で椅子に座って鑑賞できるようになっていました。
わあ、本当にこうやって描いてるんだね〜。
なんか、感激しちゃうね。
七福神の中に‥
桃を頭に乗せるひとつめちゃん。
ここ岡山では、一段と目立ちませんか?
会場を出る時の細い通路は、この通り。
このフラッグ、こんな所にあった!
余談ですが、さすが初日。
グッズ売り場がこれまた長蛇の列で、作品鑑賞にかけた時間より、並んだ時間が長かったかも。
展覧会の感動を持ち帰ることができるのが、鑑賞後のお楽しみ・ミュージアムショップ。
各会場で必ず何か買ってしまう私、ここでは‥
紙皿と金平糖。
猫のお洋服から綺麗なグリーンの金平糖が透けて見えます。
そして会場限定の「ギュスターヴくん巾着入り・岡山桃グミ」。
裏面には、お供の犬・猿・キジ。
ヒグチファンのお友達の分もゲット。
私は来館者数が少し落ち着く頃、再訪する予定です。
改めて4会場の撮影エリアを並べてみると「みんなちがって、みんないい」の一言に尽きました。
- 同行者:なし
- アクセス:JR在来線+新幹線
「ヒグチユウコ展 CIRCUS」4会場のレポは、これで終わりです。
巡回展を追いかける楽しみ
後半は、巡回展を追いかけることで、どんな楽しみがあるかをお伝えします。
コロナ禍のあおりで、私が追っかけできる巡回展は減っていますが、それでもこんなにメリットがあるのです。
マイペースに楽しんでるの。
複数回訪れるメリット(同会場のリピートとも共通)
リピートすることでしか得られない収穫がある
- もう一度じっくり堪能したい作品・会場の雰囲気に再会できる
- 見逃した作品(映像・音楽なども含む)がしっかり回収できる
- 初回で「ああ、カメラ持ってくれば良かった!」なら、次はカメラ持参でバッチリ!
- 図録などを読んだ後、後から知ったエピソードで改めて見たくなった作品もチェックできる
- 開催期間中に作品の一部が入れ替わる場合、両方を見ることができる
- 同じ展覧会を1人で訪れる・誰かと訪れる‥それぞれ違う時間を過ごせる
鑑賞の所要時間・疲労度などが既に把握できていて有利
- 初回はペース配分がわからず、時間が足りなくなったり、後半疲れたりしがちだが、その心配がない
- 会場で流れる映像が長めの場合、1度の来館では見きれなかった映像の続きを見れる
- 大人気で混んでいた会場も、再訪時には少し落ち着いた曜日(平日)・時間帯を選ぶことができる
- 買い逃しグッズ・売り切れグッズの再入荷が期待できる
時期をズラして訪れることで、入れ替わった館内展示や他施設の展覧会に出会えることがある
- メインの展覧会は前回と同じでも、館内の常設展・企画展などが入れ替わっている場合がある
- 近隣の美術館・博物館で、興味深い展覧会が始まっていることもある
各地を巡回する会場を追いかけるメリット(例:「ヒグチユウコ展 CIRCUS」の場合)
出品内容は同じでも、開催施設ごとの特色や見せ方の工夫が面白い
- 巡回スタート時にはまだ発表されてなかった新作が、途中の会場から追加展示
- 学芸員・スタッフさん達が「この会場では『CIRCUS』をどう見せてくれるの?」と毎回楽しみだった
- さり気ない地元ならではのアピールも、なんか可愛い
建物独自の構造や空間が生かされている
- 見慣れた施設が、入口・ロビーも含め「CIRCUS仕様」になっていて、到着時からテンションアップ
- 壁の色・照明など、手を加えるのが難しそうな設備まで、展覧会テーマと調和してお見事
訪れたことのない施設に足を運べる
- 「この施設に『CIRCUS』が巡回して来なかったら、ここを訪れる機会はなかったかも」と感じることも
- 「CIRCUS」をきっかけに、偶然自分好みの美術館・博物館が見つかった時はラッキー
各会場のポスターやグッズ販売はかなり楽しみ
- 毎回デザインが変わるポスターが尊い(新作アリ!)
- 別会場で買い逃したグッズをゲットできた
- ご当地銘菓や名産品とのコラボグッズのレア感、書き下ろしイラストのパッケージがお宝
- 巡回展の途中で見当たらなくなるグッズ・反対に追加されるグッズを含め、毎回楽しくてたまらない
忘れた頃、少し離れた地で「あの展覧会」がまた始まってくれる喜び
前売券を上手く使うと色々おトク
- 前売券は当日券よりお財布に優しい
- 当日、チケット売場に並ばなくて良い
- 開催前に購入することで「ふふふ、私、行くんだも〜ん!」という楽しみ・安心感を得られる
- でも「買ったけど行かなかった」「紛失した」に注意
巡回期間中に移り変わる季節・天候ごと楽しめる
- 展覧会の記憶が、季節や天候と結びついて印象深く残る
- 「もう寒いかな、何着て行こう?どの靴とカバンにしよう?」などと迷うのも嬉しい悩み
「巡回展」プラス「小旅行」の楽しみ
近場なら日帰り可能
- 滞在時間内に会場周辺の観光・グルメを楽しむことも可能
- 車で出かける人は、長距離ドライブを楽しんだり、行動の自由度が高くて楽しい
- 交通手段が多い都会なら、スマホなどでその都度調べて気ままに移動できる
- 交通手段が少ない町・慣れない町なら、アクセスを調べたり、現地でのスケジュールを考えるのが楽しい
- 旅行気分を味わいたいなら、ちょっと贅沢に新幹線や乗ってみたかった乗り物を使うのもオススメ
- 帰りの交通機関のチケットを確保することで、観光や食事のタイミングなどを調整しやすいことも
- 近場のようにすぐ家に着かないため、移動中ボーッと余韻に浸ったり、図録を読んだり、少し眠ったり
遠征の場合、ついでに色々楽しむ旅行や出張スケジュールに組み込めば行きやすい
- 巡回展追っかけをメインに、小旅行の計画を立てるのもアリ
- 旅行や出張スケジュールに組み込めば行きやすい
- わざわざ計画して出向くため、いつでも行ける地元みたいに「ウッカリしてたら開催期間が終わってた」がない
- 遠方に住む人と趣味が合うなら、たまには展覧会に誘ってみるのも新鮮かも
「あの感動、おかわり!」+各開催地で満喫、のススメ
今回は「ヒグチユウコ展 CIRCUS」を中心に、巡回展を追いかける楽しみをまとめました。
4会場の写真を見比べると、現地では気付けなかった施設ごとの工夫が一目瞭然、じんわり懐かしい気持ちにも。
ところで、コロナ禍の煽りとはいえ、開催期間がこんなに長い巡回展は珍しいです。
実は私も、巡回展を頻繁に追いかけられる訳ではなく、ほとんどは「大阪会場と福岡会場の2つ」とか「東京会場と広島会場の2つ」といった2カ所に足を運ぶことで、それぞれの違いを楽しんでいる感じで。
もちろん、
いくら気に入った展覧会でも、そんなにあちこちの会場へは行けないよう。
という人もいますよね?
そんな人は、最も行きやすい会場のリピでも、初回で気付けなかったことや新たな発見に出会えるはず。
濃すぎて1回ではとても消化できない展覧会に出会ってしまったら、2度、3度と訪れてみたり、各地を巡回していく会場を楽しく追いかけてみては?
個人的に「魂が震えるくらい気に入った展覧会のおかわり」は、全力でオススメしたいです。
‥あなたが「これは!」という、素晴らしい展覧会に出会えますように。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。