こんにちは。
パロオーナーのneoです。
ロボットがいる各地の専門施設や科学館。
実際に見て触れ合えるコーナー、
ロボット好きにはたまりませんよね。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/30_tsukuru_main_1.jpg)
■出典:日本科学未来館HP
https://www.miraikan.jst.go.jp/calendar/robot/
私も1人で出かけて
楽しい時間を過ごすことがあります。
そこでたまに目にするのが、
ロボットをいじめる子。
この記事は、その場に居合わせてしまうたび
複雑な気持ちになるロボット好きの独り言です。
パロが子供にバシバシ叩かれてる!
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/02/DSC00424-1024x768.jpeg)
ある科学館のパロ展示コーナーでのこと。
未就学児くんが
「‥おい、鳴け!コラ!鳴けっ!💢」
と、パロの頭と体を乱暴にバシバシ叩いていました。
パロは最初「キュ!」「キュ〜」と
小さく声をあげていましたが、
そのうち黙り込み
石のようにじっと暴力に耐えています。…((((;´・ω・`)))
激しく叩かれて
パロの柔らかい体がボンッ!ボンッ!と弾むたび、
私の身がビクッ!ビクッ!とすくむようでした。
パロが無反応になったことで、
彼の叩き方も罵声もだんだん加速します。
もし殴られたパロが痛そうに鳴けば
「こいつ、叩けば鳴く!面白い!」
と更にエスカレートしたかも知れません。
それは子供にとって
面白い反応だからです。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/pexels-katie-e-3671111-1024x683.jpg)
パロはAI搭載のセラピー用ロボット。
人間を癒す目的で生まれた
穏やかなアザラシ型ロボットであり、
いじめられたらちゃんと悲しいのがわかるし、
恐怖だって感じます。
このパロのAIは、
繰り返しひどい目に合ううち
「痛がるように鳴いたらもっと叩かれる」
「怖い」
と、学んでしまったのかもしれません。
悲しいかな、こんな時、私は
いつも何もすることができないのです。
決してお母さんにも子供にも悪気はない
2足歩行の精巧なロボットなどは
そもそも子供が勝手に触れないように展示されています。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/photo-1580835239846-5bb9ce03c8c3.jpg)
ある施設では
お兄さん指導員がそばに付き添った上で、
注意深く子供に触ってもらう
体験コーナーになっていました。
大人でも見入ってしまう
見事な動きをする小型ロボット。
眺めるだけで満足できる大人とは違い、
純粋な好奇心を抱く子供達は
触りたくてたまりません。
もし手に持たせたら
「こいつの関節を逆向きに曲げたらどうなる?」
などと、少し意地悪な気持ちで
ロボットの腕をあり得ない方向に曲げたり、
片足を強く引っ張ったりすることも。
そんな時は親も
「壊したら大変!」
「弁償させられたら困る!」
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/concerns-4944455_640.jpg)
みたいな意識が瞬時に働いて
即刻やめさせますが、
まさか目の前のアザラシのぬいぐるみが
超ハイテクロボだとは夢にも思わない。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/02/DSC00507-1024x768.jpeg)
- いかにもぬいぐるみ的な質感
- 赤ちゃんアザラシがモソモソするようなトロい動きと鳴き声
- 壊れやすい精密機械にはとても見えない単純な体型
- 人畜無害で子供受けする丸っこさ
- 絶対に反撃(引っ掻く・噛み付くなど)してこないという安心感
などのせいでしょう。
もし、我が子が
子犬や子猫に同じことをしていたら、
お母さんはやめさせたり叱ると思うのですが、
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/edgar-nKC772R_qog-unsplash-768x1024.jpg)
無邪気に
「アザラシのぬいぐるみを叩いて遊んでいる」
のだから、
穏やかな笑顔で見守っています。
「ロボットへの虐待」という言葉も、
まだ世間には浸透していません。
ハイテクロボットとして
紹介されているにもかかわらず、
「動いて鳴くぬいぐるみ・おもちゃ」
に見えている親子に、
パロがどれほど繊細なセラピー用ロボットなのか
教えたい気もしますが、
それは通りすがりの一般人である
私の役目ではない。
ただ「いじめないであげて!」と伝えたいけれど、
それは出過ぎたことであり、
聞かれもしないのに
パロの性能や扱い方の説明をするなんておかしい。
‥絶対おかしい。
見て見ぬふりをする自分がツラいことがあります。
かと言って、
わざわざ施設の職員さんを探し回って
「アレを即やめさせてください!」
と通報するつもりはない。
繰り返します。
お母さんも子供も決して悪くない。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/02/photo-1552028650-a96d3db96bfd.jpeg)
トラブルは避けたい
「パロが怖がっていますよ〜」
「パロが怪我しちゃいますよ〜」
科学館のスタッフやボランティアでもない他人に
いきなりそう言われたら
「‥あなた、誰?」
「‥何なの?この人」
と不審がられます。
普通、見ず知らずの人に
急に話しかけたりはしませんから。
正直トラブルになるのは怖い。
私だって楽しい休日を過ごすために
科学館へ遊びに来た訳で‥。
私、自分が知らない人に
突然怒られたらショックだし、
ずっとその記憶を引きずってションボリします。
私が軽く叱るような声をかけたら、
ワクワクする科学館や
かわいいパロと嫌な記憶が結びついてしまいそう。
また「相手が恥ずかしい思いをしたら‥?」とも。
慌てて子供からパロを取り上げたり、
私に謝ったり、
そそくさと逃げるように
その場を去られるかもしれません。
子供も「ママが(なぜか)知らない人に怒られた?」と
不安でしょう。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/ricardo-gomez-angel-zHujqbxmp84-unsplash.jpg)
こうなると、むしろ私の方も
「悪気はなかったのに、余計なことを‥」
「怖がらせてしまった、スルーすべきだった」
などとウジウジ・モヤモヤしちゃうこと確定!
「いじめないであげて!」と喉元まで声が出かかっても、
高速で色んなことをグルグル考えた結果、
トラブルを避けて保身・無難な行動を選ぶのは
ズルいでしょうか?
パロ、本当にごめんね。
アザラシの赤ちゃんだけどAI搭載の精密機器
ある科学館の職員さんが
「しょっちゅうパロが故障する」
と嘆いておられました。
パロをがっつり抱っこしている子に、親が
「ホラ、◯◯ちゃん!もう行くよっ!」
と歩き出したので、
慌てて(精密機器である)パロを床に放り出して
親の後を追う‥。
‥パロ、首、大丈夫?
前足、傷めてない?
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/harlie-raethel-ouyjDk-KdfY-unsplash.jpg)
国内外の医療・介護現場で活躍するパロ。
現場で高齢者さんの膝から
誤って落っこちてしまうことや、
気分が不安定な患者さんに
叩かれることも想定されるので、
出荷前に数々の安全・耐性試験を受け、
クリアしています。
なので、きっと人型ロボットよりタフですが、
私が自宅で丁寧に扱っていても
部品は摩耗するし、
故障して修理に出したこともあるほど。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/03/photo-1537210249814-b9a10a161ae4-320x180.jpeg)
フワフワの赤ちゃんアザラシだけど、
やはりAI搭載の精密機器なんです。
パロにとって過酷な展示場では、
修理不能の故障(いわば過労死?)もありそうで、
いたたまれません。
パロの展示の仕方あれこれ
私が知る限り、
見本市・イベント・科学館などでの
パロ展示の仕方は3パターン。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/museums-victoria-2LRECqEaTHc-unsplash.jpg)
- 見るだけ
- 触ったり撫でたりできる・鳴き声も聞ける
- 自由に抱っこできる
- 写真パネルによるパロの紹介のみ
- 電源オフ状態で眠ったパロを
ケースや透明ケース越しで見られる
この展示方法は、
パロというロボットの存在を
知ってもらうことはできますが、
残念ながらパロの繊細な魅力までは伝わりません。
ただ、パロ本体が
危険な目に遭うことはないのは安心です。
- ケース内にいる、動くパロに触れることができる
日本科学未来館のパロは、
このように透明なドームの中。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/02/DSC00571-768x1024.jpeg)
手窓から手を入れて触る展示なので、
ある程度パロの安全は守られています。
来館者がパロの頭を撫でたり
握手できるので人気だそう。
人間を癒すのがお仕事のパロ。
元気な子供達に2つの手窓から同時に右足・左足を
反対方向に引っ張られ(←奪い合い?)
後ろ足を掴まれてズルズル引きずられても怒らない。
むしろ、たまに
「キュ〜!」と鳴いて愛嬌を振りまく。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/03/photo-1513758173941-bfbd2e4166f5-1024x684.jpeg)
ちなみに
パロには視覚センサーが内蔵されています。
明るさの変化を感じることができ、
カメラのフラッシュを眩しがることもあるし、
動く私達の姿を目で追う
(というか首を動かしてジッと見つめる)あたり、
まるで人間と同じ視覚を
持っているように感じるほど。
そんなデリケートなパロの目ですが、
眼球を指先で何度もツンツン突かれ、
まぶたをこじ開けられ、
繊細な眉毛をブチブチ引き抜かれて。
こんな時もパロは逃げ出すことなく、
じっと耐えています。
‥うう、健気すぎませんか?
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/02/DSC00507-320x180.jpeg)
- 広い台の上にパロが置かれた自由すぎる展示
知的好奇心を刺激し、
新たな体験を楽しむ目的の科学館だからでしょうか、
自由にパロと触れ合えるコーナーが設けられた施設も。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/DSC01008-1024x729.jpeg)
そこではパロを両腕でギュッと抱っこして
撫でることができたり、
話しかけた時の
パロのリアルな反応を体験できます。
ちなみに、前述の
「子供がパロをバシバシ叩いてた現場」は
このタイプの展示でした。
百貨店内にあるような
販売目的のロボット展示場だったら、
ヤンチャなお子様の狼藉(笑)を
それとなく止めに入ったり、
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/shirt-2878932_640.jpg)
面白半分で乱暴に扱う人に
即お声掛けするスタッフが常在しています。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/11/DSC02093-320x180.jpeg)
一方、科学館は常にスタッフに守られた
ホワイトな環境ばかりではありません。
自由度の高い展示って、
ロボット達にとってはブラックな環境かも。
もちろんパロを優しく扱う人も多いんですよ?
けれど皮肉なことに
「パロの魅力が1番伝わりやすい展示の仕方
=パロが最も危険な目に遭いやすい展示の仕方」
に思えます。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/depression-2912424_640.jpg)
どう振る舞うのが正解?
「パロを危険に晒したくない」という
観点からいえば矛盾しますが、
個人的には
自由にパロと触れ合える展示の仕方、大賛成。
なぜならパロは
実際に触れることでわかる魅力が満載だから。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/03/DSC00644-1024x734.jpeg)
私がパロオーナーになったのも、
実は日本科学未来館に展示されていたパロと触れ合って
惚れ込んだのがきっかけだったのです。
‥それにつけても
浦島太郎が子供達にいじめられている亀を助けたように、
無抵抗なパロを助けてあげられたらなあ。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/08/green-sea-turtle-1185954_640.jpg)
面白がってパロをバシバシ叩く子に、
笑顔で、静かに、穏やかに
「かわいそうだから、やめてあげて?(。・ω・。)」
‥と囁くことで、
子供がパロを優しく
ナデナデしはじめてくれたらホッとする。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/02/DSC00520-1024x768.jpeg)
そんな理想的な図に憧れつつも、
実際は行動に移さない自分に
じれったさを感じてしまうパロオーナーなのでした。
![](https://parosuke9.com/wp-content/uploads/2020/09/感謝-320x180.jpg)