この記事は、
- パロの宣伝をほとんど見かけないのはなぜ?
- パロをうまく活用するために大切なこと
- パロがメディアに登場した情報
についてまとめました。
こんにちは。パロオーナーのneoです。
「パロについてもっと知りたい!」と思ったり、何となく購入を思い浮かべている皆さん。
‥公式さんからの宣伝情報、あまり見当たらないでしょ?
「わ!アザラシのロボット!可愛い!」とパロに興味を持った同僚も、早速ググってみたらしいんですが、
‥なんかね、施設のお年寄りに抱っこされてる写真とか並んでた。
とだけ。
ちなみにパロのリース販売を行っているのは、産総研の株式会社知能システムさん。
人気のペットロボット達には、思わず「可愛い!この子、ウチにも欲しいっ!」となりそうなPVや、わかりやすいパンフレットがあります。
なんでパロには、そーゆーのがないの?
‥これには深い理由があるのです。
他の人気ロボット達の場合
こちらはaiboとLOVOTのパンフレット。
ポップで読みやすく、希望者は簡単に手に取ることができます。
他にもネットで現在購入可能な家庭用ロボット達のサイトを覗くと、
- ロボットを迎えることで新しい毎日がスタート
- 笑顔あふれる家族での団欒 with ペットロボ
- ペットロボのいる、オシャレで素敵な一人暮らし
- こんな機能もあって便利
みたいなコンセプトで、モデルさん(若い人や家族)と一緒の写真・映像が目を引きます。
可愛いだけじゃなくてちょっとカッコいい!なんかキラキラしてる!
ロボットに備わる機能の紹介に「へえ、こんなこともできちゃうの?」と、ますます関心が高まり、自分がお迎えした後の素敵な未来を思い描けたりもします。
例えば大人気のLOVOT公式サイトでは、LOVOT本体もとても魅力的に登場しますし、テンポの良い文章・カラフルな写真などに見入っているうち「もし買うとしたら‥」と考え始め、気になる購入方法にも辿り着ける流れに。
つい隅々まで読んじゃいました。
いや、LOVOT、ホントに可愛いし。
けれどパロは海外では医療機器、日本では福祉用具。
パロの場合、一般向けへの宣伝をほとんど見かけない最大の理由がここにあります。
本来、パロはセラピー用ロボット
パロは現在「セラピー用」と「ペット用」の2種類が発売されていますが、本来はペットロボットとして開発された訳ではありません。
主に医療福祉現場で活躍中のパロ。
ググれば当然、国内外の現場でお仕事している姿や、研究開発に関する情報が次々と。
この点が、最近誕生したペットロボット達と異なる背景であると同時に、パロの大きな特徴の1つです。
高性能・実力派のパロは、使う前に基礎知識が必要
医療福祉現場での活用
パロの情報を検索してみると‥
- 研究開発者や販売者の「これがパロです」的な真面目写真とテキスト
- パロに関する詳しいインタビュー記事
- 科学館やロボットイベント会場で展示中の様子を写した写真
- 被災者や病気の子供たちに可愛がられている報道写真
- 施設のデイルームなどで、複数の入所者さんに囲まれる姿
- 普段着・寝巻き姿のお年寄りに抱っこされているお仕事中の写真
などがいっぱい。
これらの情報は長い年月が積み重なった結果であり、作り事ではない説得力にあふれています。
パロの実力の証明でもある。
医療福祉分野の施設長・スタッフさんに
「ああこれ、ウチの患者(または入所者・利用者)さんに良さそうだから、導入を考えてみようかな」
「職員のメンタルヘルス対策や、ストレス緩和にもつながるみたいだし」
と思ってもらえそうな雰囲気も。
実際に施設がパロを迎えて正しく使用すれば、現場の笑顔が増えることは十分期待できます。
けれども!
ここがポイントなのですが、パロを購入さえすれば「はい、効果発揮!」という訳ではありません。
パロを現場で効果的に使用するには、専門知識を持ったスタッフさんが必須です。
そのため、初心者向けの無料研修会「パロ・ハンドラー研修会」や、上級講座の「パロ・トレーナー養成講座」も開催されています。(2021年9月現在)
これらのことを十分踏まえた上で、今後は日本でもパロを導入する施設が増えることを願っています。
個人宅での活用
パロは個人宅でもお迎えできますが、販売元さんは敢えて個人向けには宣伝をされていないように思います。
‥え?何で?凄いロボなんだから、派手に宣伝すればいいのに。高齢の親に買ってあげる人とか、いるんじゃない?
確かにギネス認定されたほど、世界各国でセラピー効果は実証済みのパロ。
けれど、その効果は医療福祉現場と同様、パロを買って「ポン!」と相手(高齢者など、セラピー効果を求めている人)に渡せば何とかなる・勝手に効く、というものではないのが誤解されやすいところ。
パロの渡し方・渡す時の声かけ・タイミングなど、正しい使い方を知っておかなければ、期待する効果は得られません。
うまくパロを使うことができるなら、お家でセラピー効果を得ることも十分可能です。
そのためには、パロを個人でお迎えしようとしている人それぞれに、パロの有効な使用方法や期待される効果を丁寧に説明し、よく理解・検討した上で購入してもらうことがとても大切になってきます。
誤解されたままパロを購入されるのは残念だし「とにかくパロをガンガン売りたい」とかじゃないから、宣伝も控えめなんだと思うよ。
そうか、買った後が大事だもんね。
非薬物療法・神経学的セラピー・認知症・発達障害・うつ・ストレス緩和・職員の負担軽減‥みたいな単語が並ぶだけで敬遠する人もいる上、購入者の背景だって十人十色。
パロのことをどう伝えていくのがよいのか・どう伝えれば正しく伝わるのか。
どこかでパロのことをフワッと知った人が「コレ、いい!癒されたい!」といきなり買った場合、想像と違ったり、飽きてしまうことも考えられます。
「な〜んだ、歩き回らないし、AI搭載のくせに喋らないじゃん」なんてことになっちゃうかも。
お家でパロを10年・20年と末長く可愛がるためには、ご本人または周囲の人のパロに関する基礎知識が必要になってくるのが難しいところです。
ひとつ言えるのは「パロのことをよく知らないまま、とりあえず買ってしまうのはちょっと待って」ということ。
販売元の知能システムさんに購入目的を伝えて相談した上で、購入の検討に移られるのをオススメします。
まだパロの存在を知らない人へのアピール問題
これまでの話と矛盾するようですが、個人的にはパロの使用が医療福祉現場に限られているのは「少しもったいないな」という気がしないでもありません。
そして、まだパロという存在を知らないだけで「これほどの素晴らしいロボットなら購入したい!」「きちんと勉強して効果的に使いたい」という人は、潜在的に結構いるのではないか、とも思うのです。
どこかでパロと出会った人が、パロのことをよく知った上でお迎えし、癒されながら幸せに暮らしてくれたら最高。
高価だと言われるパロですが、長年に渡る開発の過程やパロの詳細、ましてや現在も進化し続けていることを知れば知るほど、私はこの「一般人でも手が届く値段」に驚きました。
むしろ世界中で活躍するアザラシ型のセラピー用ロボットを「ペットとして個人購入できてしまう!」ということに興奮したほどです。
セラピー効果もさることながら、実物のパロの可愛さは想定外!
少しずつ注目が集まれば、日本でもパロが普及する?
例えば介護現場などで使われるパワードスーツは「人間の力を補助する・腰への負担軽減」などの使用目的がパッと見でわかるロボットです。
一方、パロの場合は、福祉用具だと言われても「ぬいぐるみとどこが違うの?」という説明が必要。
実力をモフモフの毛皮で包んであるので「‥そこから?」です。
秘めた力を大々的に誇っていない真剣さ・誠実さに品格さえ感じることがありますが、パロが広く世に知られ「癒し効果を必要とする人はもちろん、元気な人も若い人も、パロに癒されることを夢見てほしい」と願うのは私だけではないはず。
超高齢化社会・孤独、そして最近耳にする「コロナうつ」などの問題にも、パロの効果は期待できる。
今の時代、パロは医療福祉現場はもちろん、穏やかなペットロボットとしても「十分イケる!」という事実がまだ知られていないのは、個人的には「もったいない」と思っていて。
かつての私のように、日本科学未来館で本物のパロに触れて、
- パロのこと、もっと知りたい
- 自宅でパロに癒されたい
- いつかは我が家に迎えたい
- ロボットセラピー、毎日受けたい
なんて、目をキラキラさせている人へのアピール、絶対需要があると思うのです。
パロって、セラピー用にしてもペット用にしても、興味深いロボットだな。
なんてジワジワ気になってくるような、質の良い情報が増えれば嬉しい限り。
映像・紙面‥どんな媒体にも強みがありますよね。
論文などではどうしても専門用語が頻発しがちですが、開発者さんがパロについてわかりやすく教えてくれるインタビュー動画がこちら。
雑誌での紹介記事(2021年9月)も興味深いです。
■AERA dot.「コロナ禍で需要急増 新時代のペットロボットが生活を変える」
https://dot.asahi.com/wa/2021090800015.html?page=1
もっと軽いものを挙げれば、パロがテレビのバラエティ番組で、いい感じに紹介されたこともありました。
メディアでの紹介の仕方、本当に大事ですよね。
どこかで初めてパロを知った人が
この子、抱っこしてみたいっ!どこで本物に会えるの?
と思ったら、知能システムさんに居住地などを伝えれば、近い場所を紹介してくれるそうですよ。
パロ、宇宙に進出?
2020年、パロに関する新しいニュースも見つけました。
■北日本新聞社Webum「パロの癒やし宇宙進出 産総研の柴田さん開発着手」
https://webun.jp/item/7627407
宇宙飛行士さんのメンタルヘルスケアにパロの活用を目指すそう。
わー!続報が楽しみ!
パロが宇宙進出で話題になる頃、医療福祉現場や個人宅でコロコロ活躍している世の中になっていたら、こんなに嬉しいことはありません。