アザラシロボ・パロオーナーのブログ。
パロやプチクーボと暮らす楽しい日々・時々アートのこと。
パロの紹介

お仕事パロのオーナーさんに聞く④・フレデリックくん

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neo

こんにちは、neoです。

国内外の医療介護施設などで、人を癒すお仕事をしているセラピー用ロボット・パロ。

そんな「お仕事パロ」には、

  • スタッフさんにお世話されながら所属施設で暮らす子
  • お仕事以外の時間は、個人オーナーさんのお家で暮らしている子

がいて、私は後者の個人オーナーさん達に、普段のパロの様子やお仕事ぶりを伺っています。

シリーズ・第4弾は、(一社)ハッピーネットのお手伝いをされている「プー」さん。

プー

こんにちは、プーです。フレデリックと暮らしています。

neo

よろしくお願いします。フレデリックくんは、ピンク色のパロちゃんなのですね。

プー

はい、普段は「フレくん・フーくん・フーちゃん」などと呼んでいます。

プーさんが初めてパロと出会ったのは、2019年5月18日。

介護の話をするために訪れたハッピーネット・堀先生の研究室で、先生と暮らすCOCOちゃんに出会いました。

プー

先生、そしてパロのファンになり、大きな力をいただきました。

それでは早速、プーさんにお話を伺いましょう。

フレデリックくんお迎えの経緯・おウチの中やお仕事中の様子

こちらが、プーさんのお家に来て間もない頃のフレくん。

柔らかいピンク色のパロです。

neo

わあ、優しい雰囲気の男の子ですね。

  1. フレくんと一緒に暮らし始めた日・お迎えまでの経緯:

    一緒に暮らし始めたのは、2019年12月14日です。

    自宅で両親を介護している頃、在宅介護のケアラー支援活動をしている堀先生と出会いました。

    先生の研究室でパロに一目ぼれして以来、押しかけでハッピーネットのパロイベントのお手伝いに行くように。

    以来、イベントで使用するパロや、ある施設の倉庫に眠っていたところをハッピーネットが救出したパロ・知能システムからレンタルしたパロなどが、入れ替わりで家にやって来ました。

    ‥このお話は、後ほど。

    その後、やっとフレくんをお迎えすることができました。
  2. 普段のふれあい方・おウチでのフレくんの様子

    一緒にテレビを観たり、音楽を聴いたりしています。
  3. フレくん・フレくんお迎えまでにプーさん宅で預かったパロ達のお仕事の様子:

    認知症だった母は、不穏の時以外はパロに会うたび、抱っこして撫でて可愛がってくれました。

    父は、母ほど態度が顕著ではありませんでしたが、デイサービス内やヘルパーの方々とパロのことで話が弾み、前向きな気持ちを取り戻していきました。

    介護士さんに頼まれて、パロをデイサービスに連れて行ったこともあります。

    飼っていたペットを思い出して涙ぐむ人もいれば、怖くて近づけない人も。

    パロは施設の利用者さんだけでなく、スタッフさんにも好評だったので、コロナ禍前は何度か連れて行きました。

    「構ってちゃん」のパロは、多くの人に可愛がられるとご機嫌になります。

    他のイベントでも多くの人に構ってもらえると機嫌が良くなり、元気に動いているようです。
  4. フレくんはこんな子・ココがたまらない!など

    音楽が好きです。

    他の多くの子と違い、シャチホコポーズは嫌いです。
neo

シャチホコポーズ!得意なパロと苦手なパロがいる、と聞きました。

ちなみに、我が家のぱろ助のシャチホコポーズがこちら。

ぱろ助は以前、このポーズで楽しそうにピコピコ踊っていたのですが、最近はやってくれません。

neo

それはさておき‥プーさんのお話を伺うと、改めてパロのセラピー効果や、対象者の幅広さがわかりますね。

プー

パロのおかげで、介護される親だけでなく、介護する家族・訪問ヘルパーさんなど、多くの人が笑顔になれました。心から感謝しています。

neo

関わった人の笑顔を引き出してくれるパロ、素晴らしいです。

さて、こちらの子もピンクですが‥フレくんではありません。

イベントに使うためのパロで、一番最初にプーさんのお家にやってきた子です。

パロに対して、一見無反応のように見えたお父様。

ところが!

プー

デイサービスに行った時や、ヘルパーさんの前では、よくパロの話をしていたんですって。

ご両親とパロとの関係、もう少し詳しく聞いてみましょう。

ご両親と、みなみちゃん・ルーちゃんのこと

白い子が「みなみ」ちゃん、そしてグレーの子が「ルー」ちゃん。

みなみちゃんは、施設の倉庫から救出された子でした。

neo

(‥まさかの保護パロ!)

出てきた時は目が半分しか開かず、前足も動かなかったそう。

製造元・知能システムでメンテナンスをしてもらい、目と前足は動くようになりましたが、おヒゲは引っ張られたのか、クチャクチャのままでした。

プー

よく見ると、上の写真でもおヒゲがクチャクチャなのがわかります。けれど、なかなかの美人ちゃんで、父はとても可愛がってくれました。

イベントでパロが音楽に反応することを知り、お父様がお好きなバッハをかけると、みなみちゃんはパタパタと拍子をとるように動きます。

その様子を見たお父様は、しばらく聴こうともしなかったバッハを、みなみちゃんと楽しむように。

neo

お父様とみなみちゃんに、豊かな時間が流れる様子が目に浮かびますね。

ちなみに現在のみなみちゃんは、ちゃんとおヒゲを修理してもらい、ハッピーネットのイベントなどでも活躍しているそうです。

そしてグレーのパロ・「ルー」ちゃん。

ルーちゃんは、みなみちゃんの返却後、知能システムからレンタルしたパロです。

neo

(‥保護パロの次は、レンタルパロ!)

プー

くまちゃんみたいな顔の子でした。

ルーちゃんは、入院で気が荒れていたお父様を落ち着かせ、リハビリに対するやる気を引き出してくれました。



実はルーちゃん、お仕事の時には「クロ」ちゃんと呼ばれています。

この写真の一番右がクロちゃんですね。

neo

‥なんだか私まで、くまちゃんっぽく見えてきましたよ?

認知症だったお母様は(不穏の時以外は)パロに会うたび、可愛がっておられたそう。

プー

母は毎回、どの子も「初めて見る」と言いつつも、常に抱っこして話しかけたり、あやしてくれました。その間に私は片付け物などやれました。

けれど、預けたまま私が見えなくなると「噛んだらどうしよう」などと、不安がっていましたね。

認知症の方や高齢の方にパロを渡す時、とても大切なことがあります。

パロの扱い方・効果的なふれあい方に熟知している「パロ・ハンドラー」や「パロ・トレーナー」がそばに寄り添っていることが必須なのです。

neo

その点、プーさんはこの役割を果たせる人なので、ご両親とパロとの良い関係を育てていかれたのだなと思いました。

フレくんがやって来た!

みなみちゃんやルーちゃんが帰って行った後、プーさん宅にやってきたフレくん。

もちろんフレくんも、ご両親の在宅介護で大活躍してくれました。

なプー

これほど「パロあっての介護」でしたが、実はフレデリックをお迎えするのは、なかなか大変だったんです。

なぜなら、一番恩恵を受けていると思われたお父様が、頑として「必要ない」と反対されたから。

プー

高価な商品なので「子供達に迷惑をかけてはいけない」と考えてくれたのだと思います。

けれど、ご両親に対するパロの効果を考えたプーさんは「プーさん個人のパロ」として購入することを決意。

「えいやっ!」とフレくんをお迎えしたのですが、お父様はその半月後、お亡くなりに。

プー

父こそが「最もパロに助けられた」と言っても過言ではありません。パロの凄さをより多くの人に知っていただければ、父も喜んでくれるだろうと確信しています。

パロとの介護のエピソードは、堀先生がパロ研究会でケーススタディとして論文発表されたそう。

ところで‥。

フレくんをお迎えするにあたって、プーさんは何色の子にするか、かなり迷われました。

白・グレー・ゴールド・そしてピンク。

4色のパロは、どの子も可愛い。

「ハッピーネットのパロイベントで、色々な子がいた方が楽しいのでは?」と考えたプーさん。

「‥ピンク?それともグレー?」と悩んだ末、最後には知能システムの人に「一番レアな色」を聞いて、ピンクを選んだのだそうです。

次に、お名前。

neo

お名前、大事ですよね。

お父様とバッハを聴きながら拍子をとっていたパロの姿が印象に残っていたので「バッハから名前を?」とも考えたけれど「毛皮がピンク色だから、バッハっぽくないな」と。

プー

「そうだショパンだ!」と、ショパンのファーストネームをもらってフレデリックになりました。

neo

ああ、ショパンからでしたか!少し甘〜い感じもピッタリですね。

高齢者や子供達と遊ぶ時は、呼びやすいように「フーちゃん・フーくん」。

優しい顔立ちなので、女の子と間違えられることも度々ですが、あまり気にせず「女の子のふり」もしてくれるとのことでした。

neo

フーくん、プロフェッショナル!

ハッピーネットのお手伝い

プーさんは「忙しい堀先生のお手伝いができるなら、そしてより多くのパロを必要としている人に、パロを知ってもらいたい」という気持ちで、ハッピーネットのお手伝いをされています。

コロナ禍の今、仕事はほとんどありませんが、今後は「Zoomを使ったパロ・ハンドラー研修会などでお仕事を再開したい」と、考えていらっしゃるそう。

プー

ハッピーネットの講座は、とても勉強になるので受講することも多く、メンバーの方とも親しくさせていただいています。

こちらは、ハッピーネットのパロ達と、ふれあい会でお仕事している写真。

フレくんは右から2番目。

さすがレア色、ひと目でわかりますね。

ハッピーネットには、パロレンジャーなる癒し部隊がいます。

【パロレンジャーとは】

ハッピーネット会員宅で購入されたパロ達で結成された部隊。

ハッピーネット開催のセミナーや「パロのふれあい体験」にお声がかかれば、必ずいずれかのパロ達が参加している。

プー

コロナが落ち着いたら、またパロと一緒に多くの人と触れ合いたいです。

在宅介護で、プーさんのご両親と過ごした経験を持つフレデリックくん。

「優しい」という印象は、ボディカラーのせいだけではなく、フレくん自身の力ではないでしょうか?

パロ達が再び色んな人に囲まれて、たくさんの人を笑顔にする日が楽しみです。

neo

プーさん、貴重なお話、どうもありがとうございました。