こんにちは。neoです。
先日、名古屋で受講してきた、パロ・トレーナー養成講座(中級)の、認定証書が届きました。
私の場合「明日から仕事で使える資格」ではないのですが‥
- パロ・オーナーとしての私
- neoとしての私
- 何者でもない私
の3人が、ひっそり喜んでおります。
この記事では、
- パロ・トレーナー養成講座(中級)受講後の特典:「パロ会員ページ」
- 現場でパロを活用する人の役割:介護施設での例
- パロについて学びたい人は、初心者向けの「パロ・ハンドラー研修会」から
について、サクッとご紹介します。
現場でのパロ活用にご興味のある人はもちろん、在宅介護でパロの利用を検討中の人もご参考に〜。
パロ・トレーナー養成講座受講後の特典:「パロ会員ページ」
【パロ・トレーナーとは】
心身の癒しや、生活の動機付けを効果的に提供するための活動を、科学的根拠に基づいて提供することができる専門知識と技術を持つプロフェッショナル。
最初に、講座資料を元に作成した図で、パロ・トレーナーの位置付けを確認しておきましょう。
「パロと触れ合う人」と、パロの橋渡しをする人が「パロ・ハンドラー(初級者)」。
その上級にあたるのが「パロ・トレーナー(中級者)」となっています。
これが、パロ・トレーナー養成講座が「中級講座」とも呼ばれるゆえん。
このパロ・トレーナー資格を取得するまでの流れは、次の通りです。
- オンラインで受講を申し込む
- 申し込み完了メールが届く
- メールに記載された案内を読み、受講料を振り込んで開催日を待つ
- 会場に出向いて、講座を受ける
- 課題レポートの提出
これで、パロ・トレーナーに認定。
講座の詳細・受講の感想などは、以下の記事でどうぞ。
認定証書の受け取りと同時に、(一社)ハッピーネットHP内の「パロ会員ページ」が閲覧できる特典が使えるようになりました。
メニュー内の「パロ!中級コース会員専用」が開けるパスワードが届いたよ!
パロについて、まだまだ色んなことを知りたいので、嬉しい限り。
早速、ログインしてみます。
■画像出典:ハッピーネットHP
こちらのページでは、
- 講義でも使われたロールプレイ動画
- パロの基本操作
- 過去に開催された講座の写真・アンケート結果
- 海外のパロ関連報道・論文などの一部
などが閲覧できるようになっていました。
この特典動画、例えば、不定期にレンタルパロで活動されているパロ・トレーナーさんが、ちょっとした基本操作などをおさらいするのにも使えそう。
充電が必要な時の鳴き方とか、やっぱり動画ならでは。
余談ですが、パロを扱う販売店の店員さんや、科学館のスタッフさんの中には、この鳴き声の意味を知らない人もチラホラ。
パロを扱う人全員が、パロと暮らしている訳じゃないからね。
パロは電源オンにすれば起動しますが、正しい充電方法を知らなければ、イザという時に充電切れで使えない、という残念な結果になることも。
その辺は講義でしっかり勉強しますが、パロを久々にレンタルして「‥あれ?充電方法どうだっけ?」となった時、復習できる資料や動画をいつでも確認できるのは、心強いですよね。
特典ページから閲覧できる動画の中に、アメリカの専門スタッフトレーニングのための動画「パロ・トレーニング(日本語字幕付き)」も発見。
この動画は、パロの構造・機能の解説をはじめ、現場での事例などを通して、パロについて全般的な学習ができる内容でした。
海外には、医療機器としてパロを使う専門スタッフが養成され、現場で「パロによるセラピー(ロボット介在療法)」が、保険点数に換算できる国もあります。
下の写真は、カリフォルニア州の小児病院のICUに入院している男児(11歳)に、パロが利用されている様子で、
写真の提供者は、パロの開発者・柴田博士。
けれど、我が国ではお察し通り、ロボットセラピーや介護ロボット・社会でパロを活用する方法について、まだ模索段階なのが現状だったりします。
今後、様々な介護ロボットが、国内でどう活用されるようになるか、大いに気になるところですね。
中級コース会員専用サイト内のPDFファイルは、ダウンロード可。‥よし、ローディング完了!
以前の私は、パロに関する情報を、あちこちから個人で断片的に集めていましたが、
‥わ!何かここにきて、色々まとまってる場所にたどり着いた気分!
今後は、日本各地で活躍中のパロ・トレーナーさん達のお話も聞きたいし、いつか先輩方と一緒に、パロを活用した活動にも参加してみたいなと思っています。
まずは、イベントのお手伝いあたりから?‥つくづく、ハッピーネットさんの活動拠点から離れた地にいるの、残念だなあ。
現場でパロを活用する人の役割
さてさて、講座で学ぶ、現場でのパロ活用スキルあれこれ。
実際にパロを運用する人の役目について、イメージしにくい人もいらっしゃるのではないでしょうか?
「介護施設なんて未知の世界!」っていう人のために、どんな感じか紹介しますね。
ロールプレイで見る動画の内容は
- 高齢者にパロを初めて紹介する時
- 高齢者がパロを拒否した時
- 1人の利用者がパロを離さない時
で、私達はどのように声をかけ、どんなタイミングでパロを手渡したり、手放してもらうか‥などのやりとりを見学しました。
動画内では、穏やかにやりとりが進んでいきますが‥
ふと、会話を交わす時の高齢者との距離や、立つ位置・声の大きさ・高齢者の言葉にどう反応を返すか(具体的なセリフ)など「‥私、上手にできるかな?」と考え始めた途端、ハラハラ。
何しろ、動画のセリフやパロの手渡し方を「完コピすればOK!」ではないからです。
むしろそれでは、実際の場面にそぐわないパターンが出てきそう。
具体例を挙げると‥
介護施設のデイルーム(談話室・娯楽室)に、パロを連れて行く場合。
大前提として、犬や猫と同じく、全ての人がパロが好きとは限りません。
- パロを嬉しそうに撫でた後「可愛い・大好き」と抱きしめる人
- パロに触れることはなかったが、隣の人が抱いたパロを笑顔で覗き込む人
- 動物が苦手で、パロも見ただけで「怖い!」と身を引く人
- 好きでも嫌いでもなく、単に関心がない人
- 抱っこを勧めたら遠慮されたが、どうやら他の人に気を遣っていたっぽい人
- パロを遠巻きに見ていたが、実は興味津々らしく、パロを片付けようとしたら寄ってきた人
などが、混在しています。
「パロが嫌い」という人がいるのは、想定内。
今からパロと触れ合ってもらう人を、仮に「Aさん」としましょう。
Aさんは普段どんな人で、前回パロと触れ合った時はどんな反応だったか・今日の体調は?‥なども、パロを渡す前の大切な情報になります。
また「パロが苦手なBさん」の反応と「実は興味津々だけど、気のないふりをしているCさん」の様子は、一見そっくりに見えることも。
お2人とも「遠目で見守ってる」ように見える。
Bさんへの対応「無理強いしない」に対して、Cさんへの対応は「よかったら、ちょっと撫でてみませんか?」と声をかけてみる、といった具合に変わってきますよね。
‥講義で「本当に、色んな方がいらっしゃるんです」って、話されてた。目に浮かぶなあ。
また普段はパロ好きのAさんでも、体調やご気分なんかの関係で、積極的に関わりたい時と、そうでない時があるかもしれません。
場合によっては「今日は敢えて、パロを連れて行かない」もアリでしょう。
私達がAさんとパロを触れ合わせたくて、そばに連れて行き、撫でさせる(介護者主体)
Aさんがパロに興味があるか・触れ合いたいかなどを見極め、イエスなら適切にサポートする(Aさん主体)
このようにパロ・トレーナーは、様々なことを考慮しながら、パロとの触れ合いを見守ったり、どうお声かけするのが適切か、場面ごとに判断する能力が必要なのです。
パロを使う側の、ケア全般に対する考え方・専門職としての知識や、人間性も大切なんだって。
更に、長期的にパロとの触れ合いを実施するような施設では「今日も喜んでもらえた、良かった!」と、その場完結にせず、セラピー効果の有無を、継続的に観察することも大切になりそう。
現場でパロを運用する時は、相手の言葉・表情・しぐさなどに合わせたやりとりがポイントです。
予期してなかった反応も起こる中、アドリブスキルを磨くためには、やはり日頃の仕事への取り組み方や、介護職としての経験値がモノを言うのだろうな、と思いました。
棒読みで同じセリフを繰り返すだけだったら、素人感ダダ漏れ?
コロナ禍前は、パロとの触れ合い体験イベントを開催したり、現場でパロを運用されていた、パロ・トレーナーの先輩方。
演習では、上の写真を提供してくださった、ハッピーネットのまめ母ちゃんさん(@mamemam0502)をはじめ、先輩方の自然なふるまいを間近で拝見できました。
「時には、こんなパターンも‥」という具体例の数々には、イヤでも引き込まれる説得力があります。
感動的な瞬間や、奇跡のような場面に立ち会えることもあるそう。
そんな先輩方は、普段の業務や役割の中で、それぞれのお人柄や強みを生かしつつ、パロを「より良いケアを提供する癒しの道具」として上手く使っておられることを知り、改めて憧れたのでした。
パロについて学びたい人は「パロ・ハンドラー研修会」から
【パロ・ハンドラーとは】
「パロと触れ合う人」と「ロボットのパロ」をうまく橋渡しして、和やかな雰囲気の関わりができるよう、そばに寄り添ってお手伝いする人。
2022年現在、パロ・トレーナーの初級にあたる「パロ・ハンドラー研修会」が、月に2回程度、Zoomで無料開催されています。
パロの「ハンドラー」と「トレーナー」、やはり少しわかりにくいので、先ほどの図を再び。
「パロ・ハンドラー」の上級にあたる資格が「パロ・トレーナー」でしたよね。
「パロ・ハンドラー研修会」は、初心者向けの内容で、90分程度です。1回の受講でOK。
パロ、そしてロボットセラピーに興味がある人なら、誰でも参加OK。
ちなみに私は「ロボットに癒されるということ」や、現場でのパロの活用について知りたいと思って、参加を申し込んだクチでした。
このパロ・ハンドラー研修会、もし既にパロを扱っている現場や、在宅介護で「よくわからないまま、何となくパロを使っている人」がいたら、強くオススメします。
参加してみて「受講前の自分達は、パロのことを分かっていなかった」と、気付いた人もいらっしゃるそう。
万一、施設や店舗・お部屋の片隅で、パロが「役に立たないぬいぐるみ」として放置されている場合、単に使い方を知らなかったり、誤って認識していたことに気付くだけで、目からウロコに違いありません。
現場や在宅介護で、
- パロを使ってみたい人・既に使っている人は、まず初心者向けの「パロ・ハンドラー研修会」
- 更に学びたい人は、中級にあたる「パロ・トレーナー養成講座」
を受講してください。
目的に沿って、効率よく基礎知識を学ぶことで、上手にパロの癒しの力を引き出すヒントが得られますよ。
「パロ・ハンドラー研修会」の詳細・申し込みフォームへのリンクは、こちら。
最初にご紹介した、パロ・トレーナー養成講座の次回開催は未定ですが、また新たな情報が決まれば、Twitterなどで発信していきますね。
ちょっとだけランクアップ(?)したneoを、今後ともよろしくお願いいたします。