こんにちは。
楽しみにしていた瀬戸芸を、入院・手術・仕事の関係で
春・夏会期丸ごと逃してしまったneoです。
この記事は、
「瀬戸芸、最後の2週間だけでこんだけ回れたよ」
という報告です。
瀬戸内国際芸術祭で体験した島巡りの感想なども書きました。
「瀬戸芸、気になるけど忙しい」という、近県住まいの方、ご参考にしてください。
※2022年4月追記:
瀬戸内国際芸術祭2022年が4月から始まりましたー!
瀬戸芸、駆け込み参戦!
‥残念だけど、2019年の瀬戸芸は諦める?
いいえ!
もう、秋会期(しかも終盤)だけに、全てを賭けました!
会期は春・夏・秋の3シーズン。
「ふれあう春」:4月26日〜5月26日
「あつまる夏」:7月19日〜8月25日
「ひろがる秋」:9月28日〜11月4日
このうち、私が瀬戸芸に通えそうだったのは、秋会期の中の10月17日〜10月31日のみ。
その期間内にあった飛び飛びの休日、6日分だけでした。
「まとまった休みが取れないから諦める」のではなく、
「行ける日には行く!」という作戦に決定!
■瀬戸内国際芸術祭HP
https://setouchi-artfest.jp
連泊・何度も通う、どちらも楽しい
ニューヨークタイムズが推す「2019年行くべき52カ所の旅先」で、日本で唯一ランクインしたのは瀬戸内の島々。しかも7番目登場の第7位です。ベスト10に入るとは、素晴らしい快挙ですね。
■引用:TABIZINE(タビジン)~人生に旅心を~
https://tabizine.jp/2019/02/16/232007/#i-7
連泊で瀬戸芸に訪れる方が多いのは、
- 見所が瀬戸内の広いエリアに散在している
- 遠方(海外を含む)からのお客さんが多い
- のんびり島巡りしてこそ、瀬戸芸の魅力をまるごと満喫できる
- 島に渡る際、現地宿泊の方が港の発着時間に合わせやすく効率的
- スケジュールに余裕があれば臨機応変に行動できる
などの理由。
連泊者らしく、大きなスーツケースで移動される方も、チラホラ見かけました。
参加者の中には、3シーズンとも訪れて各季節の魅力を味わう方も。
けれど、初心者は
まず回り方がわかりません。
私も、ほぼ初心者。
各会場での所要時間や離島へのアクセスを少し調べてみたら、未知のアクセス方法や、聞いたことのない地名の連続に、高いハードルを感じ始めました。
これは‥開催地の近県に住んでいても、
まとまった休みが取れない者が参加するには、無謀な芸術祭なのでは?
慌ただしく行って帰るだけでは、疲労しか残らないかも‥。
少しひるみましたが、幸い近県住まいなので、不安はあれど通えない距離ではありません。
作品鑑賞パスポート・秋会期を片手に
「行けるところまで行ってみよう!」
と参加することにしました。
‥開催期間終了まであと3週間という時に行動開始!
公式ガイドで情報収集→行動計画を立てる
既に閉幕目前(汗)でしたが、やる気はマンマン。
瀬戸芸、特に離島に出かける人に必要な現地情報が、
高密度で1冊にまとまっている公式ガイドブックをゲット!
これ、必須アイテムなのです。
都会や有名観光地へのアクセスと違い、
島旅に必要な情報を、個人で調べるには結構な労力を要します。
例えば離島への航路情報・船の時刻表がないと始まりませんが、そんな情報までこのガイドブックにギッシリ。
ネットであれこれ調べて疲れ果てる前に、これを買えば良かった。
何時間もかけて調べて印刷した時刻表や港のマップ、
全部コレに載ってたーーーー!(^▽^;)
公式ガイドとは別に、私は瀬戸内海の島旅ガイド本も、買ってみました。
こちらは一般向けの旅行ガイドブックで、公式ガイドにない島巡り情報や、その島での観光情報が掲載されています。
手っ取り早く具体的な旅計画を立てる必要のある方は、ネット情報だけでなくガイドブックの購入をオススメします!
行きたい島を調べていると、同時に
「自分の持ち時間・スケジュールでは行けそうもない島」
を見つけて除外することができます。
これがわかったおかげで、更に訪れる島を選びやすくなりました。
また、行きたい島の候補が2箇所あって比較検討したい時もあります。
パラパラめくりながら書き込みもできる本は、ネット検索に比べ、断然効率が良くストレスがありません。
この公式ガイドは少し重いけれど、瀬戸芸で鑑賞できるアート・作家の解説にとどまらず、瀬戸芸や島の歴史がわかる読み物ページもあるので、移動中も退屈しませんでした。
丈夫な紙製なので、雨に濡れても雑に扱っても、全くクタらないのがかなり嬉しかったです。
公式ガイドは、瀬戸芸開催の早い時期に発刊されるため、数ヶ月先になる秋会期分の情報は、開催期間の途中に改めて編集されます。
別冊になった秋会期分の薄いガイドブック(追加分)は、このガイドブックを指定の窓口で提示すると無料で貰えました。
旅の計画が立ってしまえば、休日に出かけるのみ!
私は敢えて見どころが多く大人気の、直島・豊島・小豆島を外しました。
ちなみに、瀬戸芸期間を外して訪れた直島のアート巡りは、こちらの記事で。
近県住まいの方ならラッキー!
近県住まいの方は、もしかしたら日帰り島旅が可能かも知れませんよ?
まずは、どこか1つの島だけでも良いのです。
え〜?慌ただしそう〜‥。
実は意外にものんびり。
瀬戸内の美しい自然・個性的な島々は、
何というか‥絶景のハシゴ。
開放的な環境で、心も体もリラックスします。
また、船の航行は日中限定。
だからこそ、昼間の数時間で濃い滞在を楽しめるんですよね〜。
当日の動き方は、瀬戸内の観光地で例えるなら、日帰りで宮島に行くのと変わりません。
ただ離島に行く場合、本数が少ない船の時間だけは気にしてくださいね。
乗り遅れたら大変❗️
最悪、島に取り残されます。
忙しい仕事の合間の休日。
非日常的で開放的な環境に身を置くことで、凄くリフレッシュできますよ。
下調べとスケジュール管理が肝心です。
日帰りで訪れるとどんな感じ?
日帰りの場合、少し早起きして家を出ることになります。
まずここ行って、これに乗って、次ここ行って‥を次々繰り返し、アート鑑賞しながらキョロキョロしてるうち、日が暮れてきます。
夜に到着する最終目的地がホテルではなく
「あ!お家に帰ってきたよ?」
という、自分でもどこか狐につままれたような不思議さ。
私の場合、
家→徒歩で駅→電車(と新幹線)→駅→駅前からバス→港から船→島→‥(往路と逆の行程)‥→家
という感じで、
次々ワープし続けるようなワクワク感が、最初から最後まで続く移動でした。
ワープ、と言っても、実際には自分の足で移動しているので、バスの車窓から見た景色や、10分もいなかった港の待合室の様子などもちゃんと思い出せます。
その上「夜には家にいる」という安心感、
最強じゃありませんか?
「通勤+仕事での10時間」と「島への日帰り旅に行ってきた10時間」は全く別物。
アート巡りで日中を過ごした夜、自分の部屋のソファーで寛げる幸せは、
充実感でいっぱいでした。
日帰り旅だから手荷物がコンパクト
旅の前夜などに持ち歩くバッグを準備する時、宿泊がないというだけで格段に楽なのが嬉しいです。
軽くてコンパクトな荷物は、
体力消耗防止や行動力アップに直結するので、結構あなどれませんよ。
旅の途中でどうしても増えてくる無料の現地地図や、パンフなどの整理は、クリアファイル一択。
水濡れを防ぎつつ、バッグの中の仕切りとして大活躍でした。
島ではコンビニや自販機がないこともあるので「こんなものを持っていくと便利」とか「これはいらないな」など、
アート巡りの島旅を重ねるたびに、自分なりの荷造りが最適化していきます。
そして日帰り旅では、旅行後の片付けがほとんどないことは、精神的にも物凄く助かります。
翌日が仕事の日などは特に。
私は日帰りの身軽さ・気楽さにハマってしまい(途中、2泊3日の行程を割り込ませたものの)短期間で5つの島巡りをしちゃいました。
島巡り(犬島・女木島・男木島・大島・本島)
普段は島民だけの静かな島も、芸術祭の間はドッと人が訪れて賑やかになります。
瀬戸芸に初めて参加される方は、お役立ち情報がいっぱいの公式HP「初めての方へ」をご参照ください。
行く前に読んでおいて、本当によかった!
■瀬戸内国際芸術祭HP「初めての方へ」
https://setouchi-artfest.jp/beginner/
坂道や階段の多い島旅はリュックが基本、大雨が降れば雨具が必須です。
私は10月25日の女木島・男木島で、服・靴・鞄の中身が雨で浸水して大変だったので、次からアウトドアメーカーの軽量&防水リュックやポーチに変更。
丈夫なビニール製の作品鑑賞パスポートカバー(公式グッズ)を購入することで、問題が解決しました。
離島によっては商店や飲食店・自販機が少なく、あっても混んでいたり、売り切れで利用できないことも考えられるため、
飲食物は持ち歩きが基本、とのこと。
島によっては、特産品を使ったランチをいただける食堂やカフェがあったので、時間が許す限り積極的に利用しました。
現地で食事すれば、食物をあまり持ち歩かずに済むので助かります。
逆に島での滞在時間が短く、食事の時間が厳しいこともあります。
そんな時はトイレ対策も兼ねて、出港前にお茶やおにぎりを仕入れて、港や船内で食べたりも。
待ち時間や移動時間は、風景を眺めたり情報収集したり、アート鑑賞のメモをまとめたり、ついでに手荷物を整理したり…と、
なかなか忙しいです。
移動にやや時間がかかる航路では、船内に座っていられる時間が長いため、少し眠ったことも。
島歩きの疲れが取れて、次の島でまた元気に歩き始められたのでした。
島以外の会場
時間のない時や疲れ気味の時・悪天候時は、
船なしでアクセスできる会場がオススメです。
具体的には、宇野港周辺のアート作品巡りや、高松市内の美術館など。
下のスケジュールの中では、紫色の線が引いてある部分です。
14日の間に訪れたのは、岡山県・香川県の瀬戸芸会場です。
①10月17日 宇野港周辺(岡山県玉野市)‥家からの日帰り
②10月19日 犬島(岡山県岡山市)‥家からの日帰り
③10月24日 四国村(香川県高松市)‥高松市内に2泊
④10月25日 女木島・男木島・大島(香川県高松市)
‥高松からの日帰り
⑤10月26日 高松市内(美術館・博物館)
⑥10月31日 本島(香川県丸亀市)‥家からの日帰り
①の宇野港周辺・③の四国村も瀬戸芸会場。
⑤の高松市内の美術館では、瀬戸芸連動企画で、芸術祭参加作家23人の作品も展示中。
芸術祭出品作品と異なるバリエーションの作品を鑑賞できるようになっており、
「島の青空の下でダイナミックな作品を展示していたあの作家さん、キャンバスにはこんな絵を書くんだな~」
などと驚いたり、島で見た作品の雰囲気を内包する小さいオブジェに、作家の共通した世界観を感じることができました。
2泊3日旅の最終日ともなると、朝からクタクタ。
坂道やデコボコ道もある島内に比べると、格段に歩きやすくて安全な街の美術館の建物内は、天国のように感じられました。
強い日差しもなく、快適な室温・歩きやすいPタイル、強風も雨も関係なく、虫だっていない。
トイレや飲み物の心配もない〜!
建物内で作品鑑賞してみると、
「島旅での作品鑑賞、実はそこそこハードだった!」
と気付きました。
インドア派の私にとって、ほぼアウトドア並み。
‥まあ、私は雨具の準備が不十分な状態で、島での暴風雨に遭遇したせいもあると思います。
オフィシャルツアーを利用する手も‥
そうそう!
効率的に島を巡れるオフィシャルツアー(ベーシックツアー)も魅力的なのです。
■瀬戸内国際芸術祭 ベーシックツアー
https://setouchi-artfest.kotobus.com
ご利用を検討中の方、申し込みはお早めに!
実は高松に2泊3日で滞在した真ん中の日、伊吹島などを巡るツアーに申し込んだところ、9名のキャンセル待ち状態だったのです。
結局キャンセルが出ず、別の島への個人行動になりました。
最初は残念に感じましたが、今回は自分で組んだスケジュールが結果的に楽し過ぎ。
「むしろ個人行動もよかった!」と思えたことも追記しておきます。
島旅では新鮮な体験が待っています!
島を巡っている間中、海も、空も、緑も、島の人も
「ウエルカム!・:*+.\(( °ω° ))/.:+」
と両手を広げてくれているように感じられ、始終心地良かったことが忘れられません。
普段の自分よりずっとポジティブで行動的になっていることに驚きました。
そんな中で触れる数々の現代アート作品は、美術館・博物館で鑑賞するのとは全然違う魅力を放っているのです。
これが瀬戸芸ならではの魅力、そして魔力。
瀬戸芸でしか体験できません。
「やっぱり来て良かったーーっ!」の一言。
アート鑑賞はもちろん、島での体験は新鮮なものばかりでした。
持ち歩いたメモから抜粋すると‥
- 島特産の食材を使った昼食を食べると、美味し過ぎて物足りない。
- 古民家を改造したカフェで島スイーツを楽しむ。写真も撮る。
- 歩き慣れない山の坂道でよろける。しかも迷う。
- 歴史を感じる島の石垣沿いに歩きながら海を眺める。
- レンタサイクルを借りて、港から離れた場所の作品を見に行く。
- 次の展示場所に向かうべく、木陰の巨石に腰掛けて地図を確認する。
- 突然の豪雨で折り畳み傘は役に立たず、荷物もパンフも濡れ濡れ。
- 濡れてヘロヘロになったパスポート、カンカン照りですぐ乾く。
- 歩いていると普通に蛇を見かけたり、島のあちこちに猫がいる。
- 商店で何年も売れてなさそうな色あせた謎の手作り土産に苦笑する。
- 鳥の声・潮の香り・草や土の匂いが懐かしい。
- 年季の入った自販機に、見たこともない飲み物が!
- 思いがけないところでニワトリやヤギを発見する。
- 入港時、スタッフや島民がお揃いのTシャツで出迎えてくれる。
- 知らない人に話しかけたり、話しかけられたりするのはしばしば。
- 日に焼けた漁師のおじいちゃんが超カッコいい。
- 若い女性グループに写真撮影を頼まれ、喜んでシャッターを押すと、いい笑顔が返ってくる。
- 外人さんに道を尋ねられ、笑顔で簡単な会話を交わして別れる。
- 露店のおばあちゃんから買ったタコの天ぷらが異様に美味しい。
- 船が島を離れる時、島民が手や旗を大きく振ってくれて嬉しくなる。
- 直射日光の下で堂々と輝く現代アート作品を写真撮影する。
- 巨大な野外展示作品の周りをぐるぐる歩きつつ鑑賞する。
- 現代アートが展示された謎の古民家に、恐る恐る足を踏み入れる。
- 体験型の展示に仕掛けられたドッキリに驚く→面白い→もう1回。
- 作品の傍のスタンプをパスポートに押すたび、ニヤリ。
- 今まで知らなかったアーティストに出会うきっかけになる。
- 巨大作品が展示された砂浜で、何度もスニーカーに砂が入る。
- 強風で髪はボサボサ、陽に当たっても「まあいいか!」と思える。
- 普段なら絶対歩かない距離を歩いた自分に驚く。
- 翌日の筋肉痛・日焼けですら、アート巡りの勲章。
- 気のせいか、旅から帰ると「いい人」になっている(←当社比)。
‥とても書ききれません。
帰宅すると、旅先での時間は既に夢のよう。
それでもわずかに日焼けした肌と、パスポートにぎっしり押されたスタンプが濃い1日を証明してくれています。
次回の瀬戸芸は3シーズンパスポートを購入して、春・夏・秋と楽しむぞ!
3シーズンパスポートをとことん活用すれば、お財布にも優しいです。
島への1人旅って、心惹かれませんか?
冒険心いっぱいでマイペースな行動を繰り返す島旅は、
いつだって心身のリハビリになることを実感します。
数々の現代アートに触れた夜、心地よい疲れを感じながら
「しかし、あの作品は凄かったよなあ」
「昼間は離島の太陽の下にいたのになあ」
などと、いつものベッドの中でしみじみするのは、本当に良いもので‥。
普段は「明日は仕事‥」と考えただけで少し憂鬱なのに、心が軽くなっていて、何だか頑張れそうに思えるのでした。
次回の瀬戸芸は2022年。
みんなで一緒に楽しみましょう!
それではまた!