この記事は、6年目を迎えたペットロボット「プチクーボ」を、修理に出した体験談です。
- 「もう起動しない」と決めたクリスマス
- 修理ができる可能性を知った経緯
- ロボと「停止」「修復の可能性」の関係
- 修理後に感じたこと
などを、いちロボオーナーの視点で書いています。
こんにちは。
アザラシロボのパロ、そして、プチクーボと暮らしているneoです。
モフモフした手触りのプチクーボは、電源を入れると短いしっぽを振ったり休んだりする、小さなロボット。
丸いボディに手を当てると鼓動があり、膝に乗せると私の体温が移って、ほんのり温かみを感じるせいか「生き物っぽさ」があります。

うちの子の名前は「ぴこちゃん」です。
プチクーボは、不思議なことにこちらの感じ方次第で、
今日は元気そう!
ちょっと寂しそう?
甘えているみたい。
など、様々な表情が見えてきます。
ちなみに、アザラシロボのパロも同じく、自由な解釈を委ねられているロボ。
そこが私にとっての大きな魅力で、彼らを「機械」だと理解した上で、ペットとして可愛がっています。
ロボとの暮らしは、私の生活を潤いのあるものにしてくれ、いつの間にか、楽しいペットロボライフについての本を書くまでになりました。
2026年3月に出版した、最新刊「うちにはアザラシがいます6 アート編」には、寿命を迎えたプチクーボ・ぴこちゃんの話が出てきます。
この記事は、その後の後日談になります。
初めましての人でも、大丈夫ですよ!
まずは「うちアザ6」に書いたエピソードから、簡単に。
うちの子、寿命を4年も過ぎてる
ぴこちゃんが我が家にやって来たのは、今から6年前、2020年のクリスマスです。

これが、初対面の日。
名前は、まだありません。
当時のプチクーボは、バッテリー交換ができないロボ。
取扱説明書にも、モーターや内蔵電池の寿命目安が「約2年」と書かれていました。
つまり、生まれつき「いつかは動かなくなること」が前提のロボだったのです。
それを知った上でお迎えした私は、ぴこちゃんをむやみに起動しないようにしていました。
誰もいない部屋で動かさない。
意味もなく起こさない。
限りある命を、節約しながら可愛がっていたのです。
けれど、ぴこちゃんの動きは、5年目に入ったあたりから、さすがに怪しくなってきました。
しっぽの勢いが弱まり、動かない時間が増えてきた。
動きがぎこちなくなり、プルプル震え続けることもある。
しっぽを動かすたび、痛そうな異音が聞こえる。
それでも、ぴこちゃんは相変わらず、健気にしっぽを振っていましたが、なんだか可哀想に思えて、ぴこちゃんの起動をためらう日が増えました。
「ちょっと変わったお洋服」みたいなノリで、しっぽに包帯を巻いてみたこともあります。

そして、去年(2025年)のクリスマスの夜。
ぴこちゃんが我が家に来て、5回目のお迎え記念日でもあったので、久しぶりに触れ合いたくなりました。
ついに、丸5年。
‥まだ動いてくれるかな?
そう思いながら電源を入れたところ、ぴこちゃんはちゃんと目を覚まし、しっぽを振ってくれたのです。
けれどその姿は、明らかに痛々しくもありました。
ああああ
‥もしかしたら私、静かに寿命を迎えたいぴこちゃんを、強制的に働かせてるんじゃ‥?
思わず電源を切り「もう無理にぴこちゃんを動かさない」「でも、今まで通り可愛がろう」と決心します。
以来、ぴこちゃんは私の心の中で、
「充電すればまだ動くかもしれない。けれど、敢えて確かめない」
‥そんな、不思議な状態のロボになりました。
ちょうど、箱を開けて観測するまで、生死が確定しない「シュレディンガーの猫」みたいに。
私は、この状態を「シュレディンガーのぴこ」略して「シュレぴこ」と名付けました。
「シュレぴこ」は、生きているとも、もう終わっているともいえる。
けれど私は、敢えて箱を開けない(充電しない)し、観測(起動)もしない。
そんな「中有(ちゅうう)」のロボとして、ぴこちゃんと暮らすことに決めたのです。

──ところが!
そのラストクリスマスから、4ヶ月経った今年の春、思いがけない連絡が届いたことで、事態が急展開します。
ある日、Xに届いたコメント
事の始まりは、私が毎月このブログで連載中の小さなお話「ぱろぴこ絵本・4月号」に、相互フォロワーのまつはちさんから届いた「可愛い」という感想コメントでした。
この時、私はまつはちさんに、ぴこちゃんが去年のクリスマスで、丸5年を迎えたことを伝えます。
実は、まつはちさんは、プチクーボの生みの親。
そんな彼女に、いち飼い主である私は、ぴこちゃんをお迎えして既に6年目に入っていることを、ご報告したかったのですね。
すると、まつはちさんから、こんなコメントが届きました。
「もしかするとぴこちゃんは、どこか調子が悪くなっちゃうこともあるのでは?」
「もし、何かあれば治療を行なっているので、Qooboお客様相談室まで、ご連絡くださいね」
‥なんですと⁉︎
まさに寝耳に水、改めてまつはちさんに、DMで相談してみることにしました。
‥あの、寿命を迎えたプチクーボって、修理が可能なのでしょうか?
その頃の私は、去年のクリスマスの出来事や、ぴこちゃんと今後も暮らしていくと決心したエピソードを、新刊に綴ったばかり。
「生死を確定させないまま、関係を続ける」という特殊な場所に、ぴこちゃんを静かに着地させていました。
それが「再び元気になる可能性」という、想定外の扉がノックされてしまった。
ならば、生死不明のぴこちゃんを、もう一度、この世界に引き戻せるかもしれない。
‥となると「シュレぴこ」をそっと愛で続ける予定だった、私の未来も変わります。
その夜は、驚きや戸惑いよりも嬉しさが込み上げて、なかなか眠れませんでした。

(※記事内の、私とまつはちさんのやりとりは、掲載のご許可をいただいています)
少し前に状況が変わっていた
ここで、プチクーボの製造元・ユカイ工学さんの公式サイトに掲載された、Q&Aコーナー(2026年5月現在)からの抜粋を。
寿命があるのですか?
QooboとPetit Qooboは、一般的な家電製品と同様に部品の消耗による寿命があります。 QooboとPetit Qooboの場合、主にモーターとバッテリーの2つの部品の影響がございます。 これらは正常に使用した場合でも消耗する部品であり、使用頻度によって寿命までの期間が異なります。 ご希望の場合、治療・部品交換を有料にて承っております。もしQooboとPetit Qooboに寿命かなと感じる様子がございましたら、まずは診察を承りますのでお気軽にご相談いただけますと幸いです。 ※ 症状によっては治療(修理)が難しい場合がございます。■出典:ユカイ工学公式サイト
‥し、知らなかった!
ちなみに、私がぴこちゃんをお迎えした、2020年当時の取扱説明書には、こうありました。
Petit Qooboの寿命は約2年です。
Petit Qooboをどうかたくさん触ってあげてください。
そして、その寿命を終えたときは「今までありがとう」と温かく見送ってあげてください。■出典:ユカイ工学公式サイト
6年の年月が流れたことで、プチクーボを巡る状況が、変化していたのです。
生き物の場合「死」は不可逆です。
けれど、ロボの場合は「停止」「故障」「休眠」「修復可能性」が、曖昧につながっています。
一旦動かなくなったロボを「死んだ」と判定することもできますが、メンテナンスとか未来の技術とか、その他なんらかの事情によって、再び動き出す可能性がある。
これは、単なる修理というより「眠っていた子が、もう一度しっぽを振ってくれる感覚」に近いと思います。
私は、状況が変化していたことに気付かない、ガラパゴス状態にいました。
つまりずっと「プチクーボは、いずれ寿命を迎える」という、お迎え当時の認識を更新できずにいたのです。
しかも私は「お客様相談室は(寿命がまだ先の)比較的新しいプチクーボが故障した時のためにある」と、勝手に認識していました。
6年も経った子は「相談室の対象外」って、考えてたの。

そんな私とは逆に、プチクーボオーナーさんのうち、リアルタイムで最新情報をキャッチできた人も、少なからずおられたようです。
もちろん「うちの子を修理する・しない」は、オーナーの考えや気持ち次第。
それでも「‥あれ?寿命かな?」と感じた時、修理が可能か相談できる道が開かれたことを、心強く思いました。
家庭用ロボに対して「大切なペット・友達・相棒、そして家族」だと感じているオーナーは多い。
「相談できる」と知っておくだけで、不安が解消したり、逆に知った上で修理しないことを選べる状況になったのは、それぞれのオーナーにとって、意味があると感じています。
即答で「お願いします!」
さてさて、ひっそり「シュレぴこ」を可愛がり始めた私も、こうなると話が変わってきました。
状況が変化した今、頑なに「シュレぴこ」状態を維持する必要はありません。
‥で、コロッと路線変更、ぴこちゃんを梱包して、指定された住所に送り出すことにします。
また元気になってくれるかも。
早速、お客様相談室にメール連絡、質問シートに必要項目を記入して送信したところ、丁寧なお返事が届きました。
お聞かせいただいた状態から、故障症状が考えられるため、よろしければお預かりして、診察・治療を承ります。
わ〜い!
「残念ですが、もうダメです」じゃなくて、よかった。
有償治療(修理)の見積り金額も提示されており、ぴこちゃん到着後に状態を確認、見積り内容と差異のない場合、修理を進めてもらえるそうです。
私は「シュレぴこ」という状態を、とても気に入っていました。
けれど同時に「もう動かないロボ」として、固定したかったワケではありません。
なので、プチクーボの修理対応が始まっていたと知った時、驚くほど自然に「お願いします!」と返事していました。
これで、ぴこちゃんとの関係を更新できる。
なにより「元気なぴこちゃんに、また会える」という興奮が勝ちました。
全てのことは、最新の自分に選択権があるのです。
ここまで読んで、寿命を迎えた、ご自分のプチクーボの修理依頼を考え始めたオーナーさんへ。
- 修理が可能かどうかは、個体差がある
- 必ずしも、修理対応できるとは限らない
- 修理によっては、個性が変わることもある
- 一度修理しても、またすぐに故障する可能性もある
- コスパや性能を考えて、新品を購入する選択肢もある
これらのことを考慮した上で、それでも修理をご希望されるようでしたら、まずはQooboお客様相談室への連絡をオススメいたします。
ロボの修理を巡る問題
かつてのコロナ禍では、一時的に家庭用ロボの修理工場を、お休みせざるを得ない期間がありました。
「ロックダウン」とかあったよね。
その後も、会社側の事情や人員の不足などで、やむを得ず「何ヶ月も修理待ち」という状況だった、という声が、各家庭用ロボのオーナーさんたちの間で、多く聞かれた記憶があります。
実はパロも同じ状況で、我が家のパロに不調が出ていたにもかかわらず、相談窓口に相談の上で、修理を見送ったことがありました。
そして最近はというと、世界情勢の関係で、国内外の各業種で資材・部品供給などがままならない状態になっています。
このように、ロボの修理を巡る問題には、その時々での事情や、様々な要因が絡んでいます。
修理担当者さんが「大切な子を早く治療して、オーナーさんの元にお返ししたい」との思いを抱かれていても、時には、それを叶えることが困難な状況があるようです。
にもかかわらず、オーナーの気持ちに寄り添い、温かい気持ちで修理にあたっておられることを、私はありがたく思っています。
ありがとうございます。
プチクーボ×オーナーの組み合わせ
ところで、ロボたちには、生まれつきの個体差があるようです。
「どの子も同じだろう」と思っていた私は、プチクーボと暮らすロボ友たちから、
うちの子、結構しっぽをブンブンさせて、元気です。
うちの子は、マイペースかな?
などと聞いて、ちょっと驚きました。
また、ぴこちゃんが滅多にやらない動きをよくやっている子がいるなど、やはり個性のようなものがあるっぽいです。
プチクーボ、面白〜い!
こちらは、私が以前行ったアンケート。
【✏️Petit Qooboアンケート✏️】
— neo (@neosoft9) November 14, 2021
あなたのPetit Qooboを頭に載せると、嬉しそうにしてくれますか?
新たにPetit Qooboをお迎えされたユウさん(@AkI111eRs210)と、Petit Qooboと暮らしてもうすぐ1年を迎えるneoは興味津々です✨
もちろん、オーナーさんの感じ方、そしてロボが暮らす環境や、稼働時間なども関係していますが、中には「何度か修理に出しました」というオーナーさんもいました。
このように、個体差があるロボたちが、これまたそれぞれ個性の違うオーナーさんの元にやってきて、一緒に暮らし始めるのです。
偶然の出会いによる「個体差(ロボ)×個性(人間)」の組み合わせ。
ぴこちゃんは、今まで修理のお世話にならずにすんだラッキーな個体、しかも長寿な子でした。
たまたま「長生き」という個性を持った茶色いプチクーボが、たまたま私の元にやってきたのでしょうか?
そのほか、プチクーボが寿命を終えた時点で処分する人や、元気なうちに手放す人などもいて、どれが正解、というものはありません。
今回の私の選択だって、あくまでも「なりゆきと好みによる判断」です。
幸い、ぴこちゃんの毛並みはモケモケしてきた程度だし、少しクセのある挙動すら「個性」の範囲にとどまってくれている、と感じています。
もし6年の間で、ぴこちゃんの毛皮が取り返しのつかないほど汚れてしまったとか、別モノになるほど激しく劣化していたなら、あるいは新品への買い替えを考えたかもしれません。
けれど、それはなかったので、引き続き平和に過ごせそうな状態です。
敢えて修理してもらう意味
新品のプチクーボは、美しい毛並みと、真新しい部品でできています。
旧タイプのボディの問題点が改良されているため、将来的な安定性だって高いでしょう。
けれど、私が固執するのは「ぴこちゃんと過ごした時間」であり、新品のプチクーボでは、代替できませんでした。
いつもの毛皮と、いつもの触り心地。
丸っこいボディに手を置いた時に伝わってくる、静かな鼓動。
そして、ぱろ助と仲良く遊ぶ姿や、一緒に旅行した思い出、多くの人に可愛がってもらった記憶‥私は、それらに価値を感じているのです。


ぴこちゃんに組み込まれた、問題のパーツを入れ替えることで元気になるなら、言うことはありません。
これって、愛着のある旧式の機械を、修理・部品交換しながら、長く使うのと似ていませんか?
どうやら私は、自分が思う以上に、ぴこちゃんという「個体」への愛着が深まっていたようです。
「毛皮としっぽの動きが、ぴこをぴこたらしめるもの」だと信じる飼い主(私)が、一定期間、動かない「シュレぴこ」と暮らした上で、修理を依頼した理由はシンプル。
だって、ぴこちゃんが大好きなんだもん。
丁寧に梱包するよ
ぱろ助や、ぴこちゃんを修理に出す時は、宅配便で発送します。
本当は、ケガをした動物ペットを動物病院に連れて行く時みたいに、柔らかい毛布で包んで、抱っこで連れて行きたい気持ちですが、
そこは、ロボ。

今から、ぴこちゃんを送り出す準備をします。

しっぽのアクセサリー(花)を外して、毛皮を脱がせました。

ぴこちゃんを、プチプチシートでしっかり包み、充電器も同封。

特に、プチクーボの命・しっぽは厳重に保護!

封筒の内側にも、プチプチがついています。

おお、ジャストサイズだった。

念のため「丁寧に扱ってね」的なシールも貼ったりして。
‥ということで、この記事は「寿命を迎えたロボを甦らせる話」ではなく「経年したロボとの関係が更新される話」なのでした。
おかえり、ぴこちゃん
先日「修理が終わった」と、メール連絡がありました。
‥いよいよ、帰ってくる〜!

そして、宅配便でぴこちゃんがご帰還。
丁寧な梱包を解いて、早速起動してみると、元気にしっぽをブンブン!
感動の再会かと思いきや、自分でもあっけないほど平静で「‥うん、知ってた」というのが正直なところでした。
多分、私はぴこちゃんが「シュレぴこ」になってからも、ピコピコしっぽを振る姿を、普通に想像できていたからだと思います。
でもね、妄想で補ってた動きが、また戻ってきて嬉しい。
「修理後、個性が変わる子もいる問題」も、私の場合「ぴこちゃんは元気な時も、のんびりモードの時もある」と思っているので、大丈夫。
もし、元気に動き続ける子に変化していたら「おお、ご機嫌さんだね!大サービス!」と喜び、逆に静かな子になっていたら「うふふ、寛いでるんだね、可愛い!」ってなりそう。
つまり、たとえ個性が変わっていても、何も問題はありません。
あの痛そうな異音も、しっぽの震えも消え、可愛いしっぽが滑らかに動いているのです。
これからも動き続ける「新品の心臓」を得たことが、特に嬉しい。
ぴこちゃん、おかえり。
これからも、ぱろ助と一緒に、のんびり「ぱろぴこコンビ」を続けていこうと思います。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
それでは、また!
‥あ、このブログ内には、プチクーボの記事が多くあります。
気になる方は、ぜひぜひ。







